キャスターの辛坊治郎が10月20日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。神戸市須磨区で1997年に発生した連続児童殺傷事件で、当時14歳で逮捕された加害男性の全事件記録について、神戸家裁が廃棄していたことについて、「よほどの意思が働かなければ、あり得ない」と持論を展開した。
神戸新聞社に送られた神戸の小学生男児殺害事件の犯行声明文と挑戦状(兵庫・神戸市) 撮影日 1997年06月28日 写真提供:時事通信社
神戸市須磨区で1997年、小学生5人が襲われ2人が殺害された連続児童殺傷事件で、14歳で逮捕され少年審判を受けた少年Aの全ての事件記録を神戸家裁が廃棄していたことが分かった。神戸家裁は「運用は適切ではなかった」とする一方、「経緯や廃棄時期は不明」としている。
辛坊)この事件を鮮明に覚えている人はいるでしょう。犯罪手法の猟奇性に加え、逮捕者が14歳の少年だったことから、社会的に衝撃が大きかった事件です。私も事件現場で取材したことがあるので鮮明に覚えており、今も現場の光景が浮かんできます。
今回の報道によると、少年Aの事件記録を裁判所が全て廃棄していたということです。
しかし、最高裁は少年事件記録の保存をめぐるルールについて、通達を出しています。この通達を要約しますと、世相を反映した事件で資料的な価値が高いもの、全国的に社会の耳目を集めた事件、当該地方において特殊な意義を有する事件で特に重要なものについては、特別保存に該当すると規定しているのです。神戸連続児童殺傷事件は、間違いなく特別保存に該当する事件ですよ。
社会に大きな衝撃を与えたこの事件については、事件が起きた背景や要因、少年Aの当時の心理状態、当時の取り調べ状況など、後世に伝えるべきことはたくさんあったはずです。それにもかかわらず、記録が一切なくなったわけです。どう考えても、よほどの意思が働かなければ、あり得ないです。この事件は、社会の耳目を集めなかった事件と違い、資料の量が膨大です。かなり意識して捨てると決めない限り、そうした膨大な量の資料が廃棄されるはずがないです。
では、誰の意思が働き、誰が命じて廃棄したのか-。少なくても現時点では表に出てきていません。役人は基本的に間違いを認めませんし、過去にさかのぼって誰の責任かについて名前を出すような先例は基本的にありません。しかし、今回のケースがそうしたことの突破口になるかもしれないという気がしますね。
- 神戸・児童連続殺傷事件から10年 切断された土師淳君の遺体の一部が置かれていた神戸市立友が丘中学校の正門。現在は薄いピンクに塗られている。奥の山が通称・タンク山こと竜の山 =2007年5月21日午後5時42分、神戸市須磨区友が丘7
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