NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤氏が11月14日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスとイスラエルの戦闘が第3次大戦に拡大するリスクを巡り、取材したイスラエルの駐日大使が「アメリカが外交的な傘を用意してくれる」、駐日パレスチナ常駐総代表部の代表は「イスラエルのプロパガンダだ」とそれぞれ答えたことを明かした。

『第3次大戦』のリスクは? 駐日イスラエル大使「アメリカが外...の画像はこちら >>

October 7, 2023, Gaza city, Gaza Strip, Palestinian Territory: Smoke and flames billow after Israeli forces struck a high-rise tower in Gaza City, October 7, 2023. Palestinian militants have begun a ‘‘war‘‘ against Israel which they infiltrated by air, sea and land from the blockaded Gaza Strip, Israeli officials said, a major escalation in the Israeli-Palestinian conflict. (C)Bashar Taleb/APA Images via ZUMA Press Wire/共同通信イメージズ

パレスチナ自治区ガザへ地上侵攻するイスラエル軍のハガリ報道官は13日、特殊部隊がガザ北部のランティシ病院に突入したと発表した。イスラム組織ハマスが病院を「テロの拠点としていた証拠を見つけた」と強調した。

堀)第3次大戦のリスクについて、イスラエルのコーヘン駐日大使と駐日パレスチナ常駐総代表部のシアム代表に、それぞれ取材しました。「イスラエルとハマスの戦闘が続き、多くの市民が巻き込まれている中、レバノンの(親イラン民兵組織)ヒズボラやイエメンの(親イラン民兵組織)フーシ派など、周辺諸国でハマスに呼応するような動きが広がっていますが、どのように考えていますか」と両氏に質問しました。

イスラエルのコーヘン駐日大使は「我々には先進7カ国(G7)が付いている。すなわち、アメリカが付いている。

アメリカの存在を皆さんは忘れているようだが、アメリカはきっと最終的には外交的な傘を用意してくれる」と話していました。「外交的な傘」とは、つまり「核の傘」です。先日、イスラエルの閣僚がガザ地区への核兵器の使用を「選択肢の1つ」と発言し、ネタニヤフ首相が即座に否定しています。コーヘン駐日大使は、その核の暴力が行使されないための均衡としての核のあり様を改めて述べていました。

一方、駐日パレスチナ常駐総代表部のシアム代表は「イスラエルが『第3次大戦が起きる』と言うなら、それはプロパガンダだ。アラブ連盟とイスラム協力機構が臨時首脳会議を開いたばかりだが、平和と安定のためにイスラム諸国は団結してイスラエルに抗議することを表明した。

この会議にはイランも出席している。イスラエルが『世界に火種が広がる』と言うのであれば、ある意味で戦争をあおるような行為であり、自分たちの正当性を伝えているに過ぎない」と話していました。

駐日パレスチナ常駐総代表部のシアム代表は、さらに「第3次大戦が起こるとするならば、国連を軽視し、国連で決めたルールを突っぱねる行為が常態化したときだ。ミサイル攻撃を続けても問題ない、市民を殺し続けても罪に問われない…。こうした声の広がりが、第3次大戦の引き金になる。だからこそ、国連主義でなければならない」とも話していました。

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