NHKアナウンサーでジャーナリストの堀潤氏が11月14日、ニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。大みそか恒例のNHK紅白歌合戦を巡り、在局時代の思い出を振り返ったうえで、今年の開催については「仕切り直してもよかったのではないか」と指摘した。

元NHKアナ・堀潤氏、今年の紅白歌合戦は「仕切り直してもよか...の画像はこちら >>

NHK放送センター

堀)まず、在局時代に一番駄目だと思った紅白歌合戦は、着ぐるみばかりが出てきた年ですね。いつでしたかねえ…。「何の利権?」と思いましたよ。今、このスタジオにアーカイブがあれば、見ながら実況をつけたいです。一方、小林幸子さんや美川憲一さんをはじめとする衣装対決は盛り上がりましたね。

僕は、紅白はオールスターのステージだと思っています。

NHKには地域の歌番組が結構あるんですよ、例えば、公民館などを回って、演歌歌手や民謡歌手が2~3時間のステージを行います。僕は岡山放送局が初任地でしたが、こうしたステージの司会をよく担当しました。

ステージの開演は午後3時頃なのですが、朝早くから地域のおじいちゃん、おばあちゃんたちが会場の前に並んでいるんです。僕らはリハーサルがあるので早い時間帯から会場入りするのですが、声をかけていただきました。僕は思いましたね。楽しみにしていただいているおじいちゃん、おばあちゃんたちに支えられ、番組も芸能の世界も支えられているのだと。

舞台に立つと観客の皆さん一人一人の顔が見え、感謝の気持ちでいっぱいになり、心の中で手を合わせていました。

川中美幸さんや中村美津子さんをはじめ、多くの歌手の方にかわいがっていただきました。こうしたステージの仕事が本当に大好きでしたね。実際に僕自身も、地域の民謡をずっと支えてこられている方に三味線を習い、前説で民謡を披露させてもいただきました。

紅白のステージは、こうしたことの積み重ねの先にあるものだと、僕は感じています。ところが、いつの間にか誰のための紅白なのか分からなくなってきてはいませんか。

最近、視聴者からよく言われますよね。「知らない曲ばかりだ」と。全てを否定はしませんが、「誰が楽しんでくれているのかなあ?」と少し気になっています。

今年の紅白の出場者を巡っても、すったもんだがありました。今年の紅白は、メディアとしての責任も問われるステージになると思います。だからこそ一度、再構築してもよかったのではないでしょうか。

しれっと、これまでの続編としての紅白を続けるのではなく、仕切り直してもよかったのではないかと思います。出演させたくない歌手を外し、急に「他にもいるんだよ」と呼んできて出演させるのは、何かモヤッとします。

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