書籍『いまさら聞けない箸の持ち方レッスン』(主婦の友社)の著者・中原麻衣子さんが、上柳昌彦アナウンサーがパーソナリティを務める、ラジオ番組「上柳昌彦 あさぼらけ」内コーナー『食は生きる力 今朝も元気にいただきます』(ニッポン放送 毎週月・金曜 朝5時25分頃)にゲスト出演。正しい箸の持ち方やマナー、そして日本ならではの箸文化について話を聞いた。

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箸の持ち方教室とは?

上柳:中原さんは、箸の持ち方教室をされているそうですが、そういう教室があるんですね。

中原さん:はい。珍しいと思われるかもしれませんが、あります。私の箸の持ち方はメソッドとして、現在は特許庁にも登録しています。

そのメソッドを使った教室を約11年続けていて、これまでに約8000名の方に通っていただきました。お子様から70代の方まで、幅広く指導しています。

上柳:多くの方が、多少違和感を持ちながらも、そのまま使い続けている気がします。

中原さん:おっしゃる通りです。そもそも気づかない方がほとんどです。

習うきっかけは「他人からの指摘」

上柳:皆さん、どんなきっかけで「習おう」と思うのでしょうか。

中原さん:お子様の場合は、初めて箸を使うタイミングで親御さんが連れて来られることが多いです。

また、補助箸(いわゆるトレーニング箸)から通常の箸へ移行する際に、うまく使えず悩んで来られるケースもあります。

さらに、小学校受験や幼稚園受験で箸の使い方が出題されることもあります。

上柳:それは知りませんでした。

「お箸を持ってみなさい」といったテストですか?

中原さん:そうです。箸の先をカチカチ鳴らすなどの課題もあります。正しく持てていないと音が出ないんです。

また、大豆や小豆をつまむ試験もあります。

上柳:それは大変ですね。でも、そこで身につけておけば一生ものですね。

中原さん:はい、一生の財産になります。

上柳:実は放送関係の知人にも聞いたのですが、
「正しく持とうとすると力が入らない」
「硬いものが切れない」
「魚の骨がきれいに取れない」
「持ち方を指摘されて恥ずかしかった」
など、箸にまつわる悩みは意外と多いようです。

中原さん:多くは第三者からの指摘がきっかけですね。パートナーや上司に言われて初めて気づき、教室を探す方が多いです。

ずっと気になっていた箸の持ち方、今からでも直せる5つのポイント

今からでも直せる。正しい持ち方5つのポイント

上柳:親に注意されても、そもそも正解がわからないこともありますよね。

中原さん:そうなんです。家庭科の授業で習うことはほとんどありません。だからこそ、箸の持ち方はしつけの一環として、家庭の中で親から子へ受け継がれていくものだと思います。

実際、ご両親の持ち方が崩れていると、お子様もまったく同じ持ち方になります。いわばコピーアンドペーストのように、親の持ち方がそのまま子どもに受け継がれていく。結果として、親子で同じ持ち方というケースが非常に多いのです。

そのため、お子さんだけ直すのは難しく、ご家族全員で見直すことが理想です。

上柳:大人が直すのは今からでは遅い、ということはないですか。

中原さん:ありません。「今さらですが直せますか?」という質問をよくいただきますが、いつからでも整えられます。

上柳:では実際に、箸の持ち方のポイントを5つ教えてください。

中原さん:ポイントは 5つです。

(1)接触点
上の箸は中指の爪の横、下の箸は薬指の爪の横に当てます。

(2)平行にする
2本の箸をきれいに平行に整えます。

(3)中指の位置
中指は下の箸には触れません。

(4)手の空間
手の中に空間を作ります。
大人は卵1個分、子どもはうずらの卵1個分が目安です。

(5)親指の付け根
下の箸を親指の付け根にしっかり乗せます。
ここが浮いている人は多いです。付け根にしっかり添えるのが重要です。

上柳:ぜひ、皆さんもこの5つのポイントを意識してみてください。

日本だけの特徴「マイ箸文化」

上柳:箸文化は世界的に見ると、どれくらいの人が使っているんですか。

中原さん:実は約20億人、つまり世界人口の2~3割ほどが箸を使っていると言われています。

その中でも、これほど箸に対して真面目であり、美しさを追求するのは日本だけです。さらにもう一つ大きな特徴が、自分専用の箸があること。

これはとても魅力的だなと感じています。

上柳:確かに私もあります。家族それぞれにもありますね。

中原さん:それがまさに日本独自の「マイ箸文化」です。韓国などでは共用の箸を使うことが多いですが、日本では一人ひとり専用の箸を持つことが多いです。お気に入りの箸を選び、それで食事をする。「どれでもいい」「割り箸でいい」とならず、自分の箸で食べる、命をいただくという習慣は、とても尊いものだと思っています。

上柳:当たり前だと思っていましたが、日本独特の文化なんですね。たしかに、父は黒っぽい箸、母は赤系、子どもは……と、分かれていますよね。

意外とやりがち?NGなお箸マナー

上柳:お箸のマナーについても本にいろいろ書かれていましたよね。『これ、自分もやっているかも』と思うものがいくつかありました。会食の場などで、特に気をつけたいポイントを教えてください。

中原さん:

「振り上げ箸」
食事中に箸を持ったまま、箸先を振り上げる動作のことです。食事中ですから、見た目もよくないですよね。話の最中に、箸を手の動きに合わせて振ったり、人や物を箸で指したりするのは控えましょう。

「手皿」
食べものがこぼれないように手を添える動作は、一見上品に見えますが、実はマナー違反です。日本には「器を持つ文化」がありますから。手ではなく、器をそばに持ってくるのが正しい所作です。

「受け箸」
箸を持ったままおかわりを受ける行為です。箸は一度置き、両手で受け取るのが基本です。

「渡し箸」
食事中に箸を器の上に横に渡して置くのは控えましょう。これもやりがちですが、避けたいマナーです。箸置きを使いましょう。

「逆さ箸」
自分の箸を逆さにして、大皿の料理を取るときによく見られる行為です。

清潔に見せようとしてやりがちですが、これもマナー違反です。取り分けるときは、専用の取り箸を使うのが基本ですね。

上柳:できるところから、意識して直していきたいですね。

ずっと気になっていた箸の持ち方、今からでも直せる5つのポイント

――「ずっと気になっていたけれど、そのままにしている」そんな箸の悩みを抱える人は少なくない。正しい持ち方やマナーは、何歳からでも身につけることができるので、気づいたときが見直しのタイミング。意識を変えるだけで、日々の食事はより心地よいものへと変わっていくはずだ。

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