さらに今の子どもたちは、対面だけでなくSNSでも人間関係を築く時代。
いじめは被害者だけでなく、「見ているだけの子」の心をも壊してしまう——。
では親は、何を前提に子どもと向き合うべきなのか。ジャーナリスト・池上彰氏の著書『法で裁けない正義の行方』(主婦の友社)から、子育て世代が知るべき残酷な現実と対策を一部抜粋・編集して紹介します。
■「うちの子に限って」は通用しない。いじめは“必ず起きる”と疑うべき理由
残念ながら人間社会では、いつでもどこでも、大人になっても、いじめは起き得るものです。
軍隊のいじめは特に暴力的で、古今東西、世界中の軍隊でたくさん起きています。会社組織でもいじめやハラスメントは起きています。
そのため親や教師は、子どもたちに対して「いじめなんて起きていないはずだ」「いじめに至るのは特殊なケースで、滅多に起きないものだ」などと考えるのではなく、まずは「いじめはどこでも起きるものなんだ」「この学校やクラスでも、いじめは起きているかもしれない」などと、いじめはあるという大前提に立つべきでしょう。
そして、いじめをどうやって早く見つけるか、やめさせるのかに注力をしていくべきです。
子ども同士でのいじめを、親や教師が見つけるのは難しいものです。
子どもは特に親には、「心配をかけたくない」という思いでいじめられていることを告白したがりません。
また加害者側の子どもも、途中で良心の呵責(かしゃく)に苛さいなまれて自分の過ちを大人に伝えようと思ったとしても、自分の都合の悪いことはなかなか言い出せないものです。
■被害者だけではない。データが示す「傍観者」や「加害者」の恐ろしい末路
各種の研究によって、いじめの被害者には自己肯定感の低下、不登校による学力や社会的能力の低下のほか、不安や抑うつ、PTSD(心的外傷後ストレス障害。フラッシュバックや睡眠障害、逃避行動などの症状が続く)を発症するなどの影響もあることがわかっています。
アメリカのいじめ問題研究者として知られるアラン・L・ビーン博士は、「小学4年生から中学2年生の25%が、いじめが原因で学力が低下した」という研究結果を1999年に発表しています。
また2004年にはアメリカの研究者グレゴリー・R・ジョンソン博士が「いじめの傍観者も、いじめの被害者と同程度の心理的苦痛を抱く」と指摘しました。
さらに加害者についても、「8歳のときに攻撃的な男子は、大人になってから何らかの犯罪者になる確率が高い」と指摘されています(1987年、レオナード・D・エロン博士、アメリカ)。
つまりいじめは、被害者だけでなく傍観者にも加害者にも、負の影響を与えてしまうのです。
だからこそ学校現場では、一見いじめがなさそうでも「いじめが起きているかもしれない」と考え、対策を行い続けなければならないのです。
■文字だけのSNSは「見えないナイフ」。親が子どもに絶対伝えるべきルール
子どもが学校や保育所・幼稚園に行くと、言葉遣いが乱暴になる、汚い言葉を覚えて使うようになるという悩みがあります。これは昔からです。
社会の中に出ていくことによってそういう洗礼を受ける、あるいは社会性が身につくことへの一段階として、それは認めざるを得ないでしょう。無理をして言葉遣いを変えさせようとすれば、子どもは反発します。
ただし今の時代、これだけは教えておかなければいけません。SNSでは乱暴な言葉遣いは危険だ、ということです。
友だち同士で面と向かって話しているときに、「うざい!」などと笑いながら言うのは、顔の表情や声色で冗談めかしていることが伝わるでしょう。
しかしSNS上では字面だけなので、「うざい」がどういう意図で使った言葉なのかがわかりづらくなります。相手が「本当に自分のことをうざい、嫌だと思っているのかな」と、誤解をしてしまう可能性があります。
それは相手の心を酷く傷つけることになるから、対面で話す言葉をそのまま使っては危険なのです。
SNSでの文字での言葉は、ナイフのような凶器にもなるんだよと教える必要があります。一律に「汚い言葉を使うな」ではなく、「SNSで汚い言葉を使うと、こういう凶器になり得るんだよ」と伝えましょう。この書籍の執筆者:池上 彰 プロフィール
1950年、長野県松本市生まれ。1973年NHK入局。









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