老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。
そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、60歳以降に国民年金へ任意加入した場合、480カ月を超えるとどうなるのかについて解説します。

■Q:63歳男性です。国民年金を任意加入したところ480カ月を超えてしまいました。超えた分は無駄になりますか?
「63歳男性です。20歳から3年間、国民年金が未納でした。その後は会社員として厚生年金に加入し、60歳の定年後も2年間再雇用で厚生年金に加入していました。老齢基礎年金を満額に近づけるため、国民年金に任意加入して2年分を前納しましたが、計算すると480カ月を超えてしまうようです。超えた分の保険料は無駄になるのでしょうか。また、年金は満額になりますか?」(ちゃらんさん)

■A:60歳以降に厚生年金へ加入していた期間は、老齢基礎年金の480カ月には含まれません。そのため相談者が任意加入した保険料は無駄になりません
老齢基礎年金を満額で受け取るには、20歳から60歳までの40年間、つまり480カ月の国民年金加入期間が必要です。

ここでポイントになるのは、「60歳以降に厚生年金へ加入していた期間」は、老齢基礎年金の480カ月にはカウントされないという点です。


ちゃらんさんのケースを整理すると、次のようになります。

・20歳~23歳:約36カ月……国民年金未納
・23歳~60歳:約444カ月……厚生年金加入(国民年金加入期間に算入)
・60歳~62歳:約24カ月……厚生年金加入(老齢基礎年金の480カ月には算入されない)
・62歳以降:約24カ月……国民年金に任意加入

この場合、60歳時点での老齢基礎年金の加入期間は444カ月です。

そこへ、62歳以降の任意加入24カ月を加えると、

444カ月+24カ月=468カ月

となり、480カ月にはまだ達していません。つまり、「480カ月を超えてしまった」という計算にはなりませんので、任意加入した保険料が無駄になるわけではありません。

60歳以降に厚生年金へ加入していた24カ月分は、老齢基礎年金の480カ月には含まれません。そのため、老齢基礎年金そのものは468カ月分となり、制度上は“満額”にはなりません。

一方で、60歳以降に厚生年金へ加入していた期間については、「経過的加算」として老齢厚生年金に反映される仕組みがあります。そのため、実際に受け取る年金額全体では、老齢基礎年金の満額に近い水準になる可能性があります。

また、任意加入は原則65歳まで可能ですので、未納期間36カ月全てを埋めたい場合は、さらに任意加入できる可能性があります。

実際の加入記録によって細かな扱いが異なることもありますので、最終的には「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」、年金事務所で加入履歴を確認しておくと安心です。

監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。
日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
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