■車の価格上昇に加えて金利も気になる時代に
ここ数年、自動車価格は上昇傾向が続いています。半導体不足や原材料価格の上昇、各種安全装備の充実などを背景に、新車価格は以前よりも高騰しています。
軽自動車でも200万円を超えるケースは珍しくなく、ミニバンやSUV(アウトドアやレジャーにも人気の車種)では300万~500万円台という価格帯も一般的になっています。

そのため、車を購入する際にローンを利用する人は少なくありません。これまでは低金利が続いていたこともあり、金利をあまり意識せずに契約した人もいたでしょう。しかし、金利が動き始めた今は話が変わります。

車の購入価格だけでなく、「借りるお金のコスト」にも目を向けたい局面になっています。

■金利が1%違うと返済額はどれくらい変わる?
例えば200万円を5年間のローンで借りるケースを考えてみましょう。仮に金利が年2%なら、支払う利息はおおよそ10万円程度です。

一方で金利が3%になると、利息負担は約15万円前後まで増えます。わずか1%の差に見えるかもしれませんが、支払う利息は約5万円増える計算です。

300万円や400万円のローンになれば、その差はさらに大きくなります。

住宅ローンほどの大きな金額ではないため影響は限定的ですが、家計にとって数万円の差は決して小さくありません。特に最近は車両価格そのものが上昇しているため、ローン金額も大きくなりやすい傾向があります。


■銀行系とディーラーローンでは違いもある
マイカーローンには大きく分けて銀行系ローンとディーラーローンがあります。銀行系ローンは比較的金利が低い傾向がありますが、審査に時間がかかる場合があります。

一方、ディーラーローンは手続きが簡単で車の購入と同時に契約できる半面、銀行系より金利が高いケースもあります。

また、最近は残価設定ローンを利用する人も増えています。月々の支払額を抑えやすい仕組みですが、契約内容によっては車両返却時の条件などを確認しておく必要があります。

ローンを比較するときは月々の返済額だけでなく、最終的な支払総額も見ておきたいところです。

■車を買う予定がある人は金利も比較したい
自動車を購入するとき、多くの人は車両価格や燃費、装備などを比較するでしょう。機能性やデザイン性を重視するのは当然ですが、金利が上昇する局面ではローン条件も大切な比較項目です。

例えば同じ車を購入する場合でも、ローン金利が違えば支払総額は変わります。最近はインターネットで複数の金融機関を比較できるようになりました。購入を急がないのであれば、ローン条件も含めて検討する価値があります。

■車選びと同じくらい「借り方」も大切
マイカーローンは住宅ローンほど大きな金額ではありませんが、多くの家庭にとっては数百万円単位の借り入れになります。
そのため、利上げ局面では金利の違いが家計に与える影響も無視できません。

これから車を購入する人はもちろん、現在ローンを利用している人も、自分がどのくらいの金利で借りているのかを一度確認してみるとよいでしょう。

車選びでは車種や装備に目が向きがちですが、長い目で見れば「どう借りるか」も同じくらい重要です。利上げが進む時代だからこそ、ローンの中身にも目を向けておきたいところです。

文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
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