第1弾は5月に発売、第2弾は8月と、以降3カ月ごとに2人(組)のアーティストの作品が発売される。『CAS』という新たなシリーズの全貌、そして展開されるアイテムの魅力を、気鋭のアーティストたちへのインタビューを通じてひもといていく。今回は、GYAROMIさんにCAS第1弾アイテム「ギャロミちゃん」について伺った。
>>>「ギャロミちゃん」をチェック!(写真12点)
――CAS の第1弾として「ギャロミちゃん」が発売されます。どういったキャラクターでしょうか?
「ギャロミちゃん」は、ソフビの前にロゴを作ったんです。最初に僕が描いたものを、kaoriさんにブラッシュアップしてもらい誕生しました。ギャロミオイドのソフビを作るときにおまけパーツを作りたくて、金型のフレームの隙間に、小さな「ギャロミちゃん」を入れ込んで製作したのが初代「ギャロミちゃん」なんです。
今回CASのお話をいただいた時に、この「ギャロミちゃん」をどうしてもリニューアルして出したい気持ちがありました。
以前、kaoriさんのアイデアで、半分目を閉じたギャロミオイドを作っていて、それをセルフオマージュして「ギャロミちゃん」に落とし込んでみました。
――では原型は2つ作ってあるんですね。
はい。2タイプ作ってありますけど、いつかもう一方もCASで出せたらいいですね。
――カプセルアイテムなので、カプセルに入る大きさには限りがあります。小さなサイズってやりにくかったり苦労することなどあるのでしょうか?
実は初代「ギャロミちゃん」を作った時が初めての小さいサイズへの挑戦だったのですが、金型からソフビを抜いた時に腿の部分に擦り傷ができてしまったんです。これは、足の付け根がすぼまったデザインになっていたので、そこがボトルネックとなっていて引っ掛かってキズがついたという訳なんです。それを今回CASで機会をいただいたので、その反省を活かして、改めてしっかり作り直しをさせてもらいました。僕自身、そういう知識が増えて勉強になります。
――出来上がりの満足度はどれくらいでしょう?
めちゃくちゃよくできて嬉しいです!
ーー彩色について教えてください。どうしてこの5色(青、黒、緑、クリア、ペールオレンジ)がセレクトされたのでしょうか?
「ギャロミちゃん」は本来、地色が青色なので、まず青を選びました。
そしてクリアは、ソフビの面白さを一番楽しめる色味だと思うので、絶対に出したいと思っていました。中が見えているので遊べるんですよね。例えば、中に基板を入れればキャラクターがメカっぽくなるし、キラキラなモールを入れてもきれいですよね。あと内側をシルバーで塗るとすごく綺麗になるんですよ。
ーー確かにクリアって特別版のイメージがあります。
ありますよね。なんか嬉しい感じ。ぜひ何かを入れたり、塗ったりして楽しんで欲しいです。
最後に何も塗っていないペールカラー。
ーー塗料も身近になって、ペイント大会などがあると初めてでもやってみたいと思う方がいると思います。
実はソフビユーザーの間口を広げたいというのもCASシリーズの重要なテーマなんです。これは400円という価格にも関係していて、今、カプセルトイを回しに行くと200円は大分減って、大多数が300円か400円。500円以上は少数派です。このうち400円は比較的いいモノ、質の高いモノという位置付けですので、なんとかソフビ好きのコア層だけでなく、ライトユーザーやお子さんにも手に取ってもらえる価格だと思っています。ただ、CASレベルのクオリティをもったソフビを400円で販売するのは、かなり無理があります。今回、原価的な制約を乗り越えるために、製造工程で様々な工夫をしています。
一例をあげると、量産で塗装するときは、塗りたいところ以外を隠す金属製の「マスク」をあててスプレーを吹き付けるのですが、塗装箇所が増えるほどマスクの数も噴き付けの手間も増えて、その分原価もかさんでゆきます。そこでマスクを工夫して、1枚で複数箇所を噴き付け出来るようにしました。「ギャロミちゃん」で言うと、鼻と瞳の黒や、白目と歯の白などですね。本来、1枚のマスクで複数箇所を塗ろうとすると僅かですがマスクがズレてしまうことが多いのでやりたくないことではあるのですが、工程数を下げるためにお願いしました。「ギャロミちゃん」の形状ならばズレの心配もあまりないだろうという判断もありました。
ーー400円にするために、だいぶ苦労されたんですね。
CASシリーズがソフビを触る入門編になってくれたら嬉しいです。今、ソフビフィギュアは全般的に販売価格が高価になっていて、正直子どもが買えるものではない。なので、CASシリーズをきっかけにソフビに親しんでもらえたら、と考えています。
ーー今のソフビでは、気軽にお風呂や砂場に持って行けないですから。
そうですね。でもCASシリーズだったらたっぷりと遊べると思います。
ーー CASに参加した経緯を教えていただけますか ?
最初に、僕たちGYAROMIとヒカリトイズの久保さん、Toy Fieldsの岡田さんに、「カプセルトイの企画をやりませんか?」というお話をプレステージさんから頂いていて、それから毎月プレステージさんとみんなで定例会を開催しています。
まずはロゴを作ろうということで、アイディア出しをしながら、どんな作家さんをCAS(キャス)にお呼びすればいいかという提案もさせてもらいました。みんなで推薦したい方を出し合ったりしましたが、岡田さんは作家さんの作品やどういう活動をされているかまでプレゼン資料にまとめて持ってきてくれました。それに触発されながら、皆で忌憚のない意見を出し合っていましたね。
今回「ギャロミちゃん」と一緒に第1弾として発売される「ももこ鮫」を作っているMomoco Studioさんもそんなひとりです。台湾の大人気ソフビアーティストで、僕らはソフビのほうでコラボをしています。お互いの作品の親和性も高く、大好きな作家さんなので、ぜひ CASでもご一緒したくて推薦させてもらいました。テレフォンショッキングの「友達の輪」みたいな感じで、いいなと思った人たちを紹介しています(笑)。
ーー今の若い人わからないですね。
わからないですよね(笑)。実際には、我々が本当にいいなと思った方をプレゼンして、最終的にはプレステージさんに選んでいただくことになります。国内外も含めていろいろな作家さんに参加してもらって、CASが今後もワクワクしてもらえるようなものになればいいなと思っています。
ーー作家さんが最初から企画に関わることもなかなかないですよね?
プロダクトの仕様なども定例会で決めていきました。ワンパーツでやるということや、先ほどお話しした彩色や、その工程などもよく相談していましたね。プレステージの担当の方が現地の製作現場をよく知っていて、我々の提案に即反応してプロダクトとしての意見をいただけるので、すごく勉強になります。
僕たちも岡田さんも久保さんも、積極的に行動するタイプなので声をかけていただいたと思うんです。2回目の会議の時にはもう、みんな作りたいものを出してきていましたし。ゼロからみんなで意見を出し合いながら、本当に面白いものを作ろうと進めていく、こんな機会はなかなかありません。
そういったこともあって、今回の作品に対してものすごく愛着があります。CASに参加するまでインディーズブランドとして活動してきたので、これまでにない過程を経験して、きちんとプロダクト化された中で作品が出来上がっていくのがとても嬉しいですし、楽しいです。
ーー今後、CASでこのやってみたいこと、期待していることはありますか?
GYAROMI以外のことで言うと、台湾や香港など、まだ日本の皆さんが知らない、素晴らしいアーティストがいっぱいいらっしゃるし、もちろん日本でもソフビになっていないジャンルのアーティストもいらっしゃいます。そういった方々の作品が CASを通じてソフビになって、しかも買いやすいものが増えていくと素晴らしいと思っています。
GYAROMIとしては、「ギャロミちゃん」のカラーバリエーションをもっと増やしていきたいですね。それから、先ほどお話しした半目じゃないほうの「ギャロミちゃん」なども、いずれは CASで出していきたいです。ただ CASの発売が 3カ月ごとに2アーティストなので、次の順番がGYAROMIに回ってくるまで、皆様にはいろんなアーティストの CAS作品を買って、盛り上げていただけると嬉しいです。
(C) GYAROMI
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