――そんな掲載準備を進めていた最中、突如飛び込んできたのがアニメ化決定のニュースだ。編集部には驚きの声が広がり、SNS上でも歓喜のコメントが相次いでいる。
世界最大級のアニメイベント「AnimeJapan 2026」に展示が登場するなど、勢いを増す『カグラバチ』。今回は、アニメ化を願っていたライターの気持ちをそのまま、本作の魅力を第1巻から第3巻を中心にあらためて掘り下げていく。
※以下の本文には“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意ください。
◇『カグラバチ』とは 少年ジャンプ発、静と狂気が交わる新時代バトル譚
『カグラバチ』は、集英社・週刊少年ジャンプにて連載中の外薗健による人気漫画。コミックスは日本だけではなく、世界各国で発売され、シリーズ累計発行部数300万部突破(電子版含む)。「次にくるマンガ大賞 2024」のコミックス部門第1位も獲得した。
主人公は、刀匠を志す少年・六平千紘。高名な刀匠である父・国重の下で、日々修行に励んでいた。笑いの絶えない日々を過ごしながら、互いを支え合う親子に最大の悲劇が起こる。
◇刀が語り血が舞う 緊迫のバトルシーン
物語を語る上で重要になるのは、人智を超えた異能力「妖術」と刀に妖術を刻み込んだ特別な力を宿した「妖刀」の存在。バトルを繰り広げる登場人物たちはこのどちらかまたは両方を使いこなす。銃で戦うことも格好いいけれど、やはり武器は刀が格別だ。
中でも、主人公・千紘のバトルシーンは圧巻だ。使用するのは7本目の妖刀「淵天」。妖刀には基本的な能力が備わっており、千紘が持つ「淵天」には、「涅(くろ)=遠撃」「猩(あか)=吸収」「錦(にしき)=纏」という能力がある。繰り出される攻撃は、妖刀に込めた玄力(=人間の中に眠っている生命エネルギー)を増幅させ、人体では生成や保持できないほど超密度に練り上げられた力の魂が金魚として形を成している。(この金魚たちは、千紘がまだ平穏な日々を過ごしていた際に、国重が持ち帰り、千紘が世話をしてきた金魚たちと同じ柄だということにグッとくる)。
千紘は状況ごとにこの三つの能力を使い分けながら、敵をなぎ倒していく。美しく静かに繰り出される技だが、その威力はすさまじい。
しかし、心を痛めてばかりもいられない。話数を重ねるごとに敵も強さを増すのだ。そのたびに千紘も「淵天」も進化を遂げる。妖刀は持ち主によって、いくらでも変貌する。その言葉通り、千紘も三つの能力を基にさまざまな技を繰り出していくのだ。強くたくましく突き進む千紘だが、余裕で勝てる相手などは一切いない。毎度、千紘が戦うシーンでは、手に汗握る展開が待ち受けていることも魅力だ。
◇無表情の奥に宿る痛み 六平千紘という少年
主人公・千紘は、喫茶ハルハルで妖術士と依頼人のつなぎ役をしている、ヒナオらから「クール」と言われる少年だ。真面目モード以外は手のかかる父・国重の世話を焼いてきたからなのか、千紘は常に冷静だ。金魚に対して聞き手になっていたり、太陽に向かって呆れていたりする父に冷静にツッコむ。
国重を訪ねてくる古い友人・柴もおしゃべりだったことから、千紘の周りは昔から騒がしい。クールだからではなく、面倒見がよく、優しさを持ち合わせているからこそ、千紘の周りには人が集まってくるのだ。
特にそれが分かるのは、鏡凪シャルが守ってほしいとやって来たシーンだ。「悪者に追われていて守ってほしい」「さいきょうの刀をもっている」ということ以外、自分のことを話さないシャルに対し、目線を合わせ、「ご飯は?食べてるのか?」と聞きだし、食事に連れて行くのだ。
シャルがまだ何者なのか分からない段階からたくさんの世話を焼く。「利害の一致(=千紘の敵とシャルを追う人物が同じだった)」という理由と、母親をなくし、「独り」になってしまった少女を守ると決めた千紘。自分とシャルを重ねた部分は多少あっただろうが、柴と違い、未知数のシャルを守るというにはリスクも大きいはず。
でも、きっと千紘は、シャルでなくとも困った人がいれば手を差し伸べることができるのだ。父の世話によって鍛えられたこともあるだろうが、それは千紘が本来持っている優しさ。その優しさが今後、千紘を苦しめないことを祈るばかりだ。
また、口数は少ないかもしれないが千紘は心の中では的確なツッコミを入れていたり、言葉以上に表情が物語っていることがあり、殺伐とした場面が多い中、読み手側をよく和ませてくれる。刀の才能はもちろんだが、笑いの才能も十分にあるようだ。
◇正義も悪も曖昧に 広がる闇と個性たち
国重の作った「妖刀」巡り、「千紘・柴」「神奈備」などが複雑に絡み合っていく。第1巻では驚異的な再生能力を持つ凪一族の生き残り・シャルとの出会い、第2巻では「妖刀」同士の激突、第3巻では国の脅威となるものの排除を目的とした組織「神奈備」による「妖刀」の回収&妖刀「真打」が出品されることになった「楽座市」を取り仕切る漣家に潜入。
物語が大きく動いた第3巻。「妖刀」同士の戦いの後、「淵天」への理解を深めた千紘は「神奈備」からその存在を認識される。そのことが原因で、「淵天」を回収にきた「神奈備」最強戦力・緋雪と相対することに。また、漣家の一員であり、千紘に二度命を救われ、己の人生には千紘が必要だと断言する漣伯理と出会う。
この出来事により、千紘は「神奈備」と「楽座市」にある闇に触れていく。「神奈備」にも千紘に協力してくれる薊がいるが、「神奈備」が「楽座市」で「真打」を落札しようとしている現段階では、協力は期待できない。さらに、「神奈備」よりも先に、「真打」を手に入れるべく「楽座市」開始前に、漣家に忍び込み、伯理が捕まってしまったことで、「淵天」までも出品されてしまう事態に発展。
話が進み、どんどん個性的なキャラクターも増えてきた第3巻。特に伯理の活躍が気になるところ。
◇推しは作るなと言われても 誰かを想わずにいられない物語
主人公や主要キャラ、新登場キャラでも容赦なくけがをしたり、退場させられそうな雰囲気を感じるため、お姉さん方が「推しは作らない方が……」と言っていたことも分かる。だが、これから先、推しを作るだろうし、今後の展開やアニメ化も期待したい漫画『カグラバチ』は現在、第1巻から第10巻まで好評発売中。
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