そんな彼女が、いまではライブ活動や執筆を通して、自身の思いを多くの人に届けている。その変化を支えてきた原点について、あらためて振り返ってもらった。
デビュー作品は地元ロケ、そこで気づいた本当の仙台愛
――セクシー女優の場合、身バレの問題があるので、中には地元を隠して活動をしている女優もいます。しかし、浅野さんは仙台出身を公表していますし、仙台出身をアピールしていますよね。
浅野こころ(以下、浅野):デビュー時は地元がそんなに好きじゃなかったんです。100万人都市と言っても地方の都市だから、みんな遊びに行く場所が同じなので、誰かしら知り合いに会うんです。そうすると、友人・知人に話したことが全部筒抜けになるんです(笑)。
――田舎あるある話です。
浅野:「どこどこで見たよ」って言われるのが、私はすごく嫌だったし、窮屈さを感じていたんです。だからデビューしたときもバレるんだろうなって思っていました。
――デビュー作は地元の仙台で異例のロケ撮影もしていました。
浅野:毎日のように行っていた場所や、いまは引っ越したんですけど、当時住んでいた実家から10分ぐらいの場所でも撮影をしていました。知り合いに見られてもいいやって思い、気にもしていなかったんです。
――かなりの勇気です。
浅野:デビュー作の時点では。地元がそんなに好きじゃないと思いながら撮影をしていたんですけど、馴染みのある場所で撮影をしているうちに「ここの道はよく自転車で通ったな」「ここの和菓子屋さんはすごい好きだったな」「ここは友達と遊んだ場所だな」とか、色々思い出すことがあり、意外と地元が好きなことに気が付いたんです。
――デビュー前にテレビドラマのオーディションも受けたそうですが、そのまま女優やタレントになろうとは思いませんでしたか?
浅野:顔を出して仕事をするなら、等身大で生身の姿で挑戦したいし、全部さらけ出したいと思ったんです。だから地元もちゃんと公表しているんだと思います。
――いまでも帰省していますか?
浅野:2ヶ月に1回ぐらいは帰省しています。
――上京して、さらに地元のよさを再認識したことはありますか?
浅野:人の動きがゆっくりです(笑)。東京だと、人の邪魔にならないように急いで歩かないといけないので、やっぱり焦るし、疲れちゃいます。でも、仙台は流れがゆっくりだし、せかせかしていないから、それが気楽でいいですね。
尾崎豊に恋をした少女、表現者に惹かれ続ける理由
浅野:尾崎豊さん、槇原敬之さん、桑田佳祐さんがすごい好きです。
――浅野さんは現在23歳なので、親世代が聴いているアーティストですね。
浅野:私が小学校低学年の頃に、父親がよく鼻歌を歌ったり、曲をかけて聴いていたりしたのが尾崎さんでした。家に尾崎さんの詩集があったので読んだら、感情むき出しの文章だし、「こんなことを書いていいの?」って思ったんです。そこで興味を持って、YouTubeのライブ映像を観たら、汗まみれの姿で床に転がって歌っている尾崎さんがいたんです。それを観て、魂で歌っている感じが伝わってきたんです。もうすでに亡くなっている方なんですけど、「尾崎豊と付き合いたい!」って本当に恋をしていました。だからなのか、年上の方ばかり好きになっちゃうんです(笑)。
――いま存命なら還暦です。
浅野:結婚したかったぐらい好きですね。亡くなった当時、尾崎さんが住んでいたマンションも見に行きました。
――すごい熱心ですね。一番好きな楽曲は何ですか?
浅野:一番好きなのは「ダンスホール」「群衆の中の猫」です。
――どちらも隠れた名曲です。この2曲を選ぶところが、本当に尾崎さんが好きなことが伝わってきます。心に残る歌詞はありますか?
浅野:「Forget-me-not」の歌詞で、男女の視点の違いが描かれているんです。女性は近くのものを見たり、些細なことに気づいたりするんですけど、男性はビルの向こうの空を見ているんです。その視点を男性の尾崎さんが歌っているのが印象に残っています。
――その分析は面白いです。槇原敬之さんはどうやって知ったんですか?
浅野:テレビに出ていたとき、「こんなに優しい喋り方をする人は誰なんだろう?」と思って調べたら、「あの有名な楽曲を歌っているのはこの方なんだ」って繋がったんです。そこからファンになり、CDやグッズも買うようになり、地元にライブに来たので観に行ったんです。何千人規模の会場だったのに、観に来た観客全員に手を振ってくださるんです。そういう優しい人柄が好きなんですよ。槇原さんのことが大好きすぎて、本当に事務所のスタッフになりたいと思っていました。槇原さんは楽曲はもちろん、人間としても好きなんです。
――尾崎さんとは結婚で、槇原さんとはスタッフですか(笑)。好きになるとのめり込むんですね。桑田佳祐さんは、サザンオールスターズではなくて、桑田さんが好きなんですか?
浅野:最初はサザンオールスターズから入りました。近所に住んでいた人の影響で、その方から教わりました。桑田さんは昔と同じ声質なのがすごいですよね。
――サザンオールスターズで好きな曲は?
浅野:「LOVE AFFAIR~秘密のデート」が一番好きです。「シーガーディアン」とか横浜のデートスポットが歌詞に書かれていますよね。歌詞に書かれている場所に実際に行きましたよ。
――世代的にダウンロードですか?
浅野:基本的にダウンロードなんですけど、好きな楽曲はCDでも買います。
人前に立つことが苦手な私がステージへ
浅野:そうですね、セクシー女優になってからです。でも、最初は自分からやろうとは思っていなくて、事務所の社長から「歌ってみないか?」とデビューしてすぐに言われたんです。だから、デビュー作のDVD発売イベントよりもライブイベントに出た方が早いんです。
――珍しいケースでしたよね。
浅野:最初は人前に立つことが苦手だし、歌いたくないし、「セクシー女優ってライブをするの?」って思っていたぐらいなんです。
――ライブ活動をする意思はなかったんですか? 素晴らしい歌声だし、評価も高いですよ。
浅野:カラオケで友達の前で歌ったこともなかったんです。いつも合いの手や手拍子担当でした。だから、ライブなんてとんでもない行為で、裸になることよりも恥ずかしかったです。
――先ほども言いましたが、選曲が渋いですよね。
浅野:だから、ファンの方が「こっちの世代に楽曲を合わせなくていいよ」って言ってくださるんですけど、合わせていなくて、私の好みで選んでいるんです(笑)。
――最近注目しているアーティストはいますか?
浅野:藤井風さんとTempalayさんです。どっちも芸術家タイプなんです。
――藤井風さんは音楽家を超えた、個人の総合芸術みたいな感じですよね。
浅野:わからない人は「どういうこと?」って思う楽曲を書きますよね。
――そういう意味で尾崎さんや桑田さんも含め、音楽家を超えた人が好きですか?
浅野:そうですね。
――自分がステージに立って得たことはありますか?
浅野:最初は細かい部分ばかりに目がいってしまって、緊張しながらも、お客さん一人ひとりをちらっと見たときに、「どうしよう!? 盛り上げられていない」「楽しくなさそうかな」と考えてしまったんです。それでパニックになってしまいました。
――緊張しつつも、お客さん一人ひとりを見てしまうんですね。
浅野:ちらっと目に入っちゃうんですよね。
――しかも、マイナス面が目に入っちゃうんですか?
浅野:めちゃくちゃネガティブです。小学生のときも前髪を長くして、眼鏡をかけていて、ずっと下ばかり向いてしゃべらないタイプだったし、中学生のときも周りに馴染めるタイプではなかったですね。
――それが、いまでは東京に来て活躍している自分をどう思いますか?
浅野:その当時から考えたら、信じられないです。東京に来て社交的なフリが上手くなりました。
――「フリ」ですか(笑)。
浅野:でもやっぱり根は内向的なんです。それをnoteに書いているんです。
言葉の選び方と伝え方へのこだわり。noteに綴る理由
――その浅野さんのnoteの話になりますが、文章の上手さって、レトリックを使ったり長文が書けたりすることではなくて、平易な表現でわかりやすい文章を書ける人こそ上手なんです。なので、浅野さんの文章はものすごく上手なんです。もともと国語は成績が良かったんですか?
浅野:国語は得意でしたし、心理学の勉強をしていたっていうのもあるかもしれないです。一対一で話すときに、気持ちの部分でこう伝えたら相手に伝わりやすいって常に考えているんです。
――それを文章で表現するのは難しいですよね。
浅野:言葉っていっぱいあるから、どの言葉を当てはめようか考えますよね。
――あと文章って技術なんです。
浅野:だから、私も文章を書くときは、言葉の順番をすごく考えます。
――やはり技術面も理解しているんですね。本はもともと読むんですか?
浅野:もともと凪良ゆうさん、太宰治さん、雨宮まみさんが好きでした。
――雨宮まみさんはアダルト系のライター出身であることは知っていたんですか?
浅野:知っていました。あとは飯島愛さん、園子温さんの文章も読んでいました。
――浅野さんの文章は淡々としているんですが、情熱が伝わってくるんです。
浅野:感情的になりすぎないように書いている部分はあるかもしれないです。でも、私としては淡々としすぎているかなって思うときもあるんです。
――熱い文章は、少し鬱陶しく思えるのでちょうどいいんです。
浅野:あまり熱いと読んでいる人に寄り添えなくなるんです。
――読み手側のことも考えているからこそ、あそこまで文章が上手いんですね。そもそもnoteを書こうと思ったきっかけは?
浅野:10代の頃から、本を出すのが夢だったんです。中学生の頃、文章を書いて出版社に投稿したこともあるんです。ポエム雑誌だったかな。掲載されたことはなかったんですけど、毎日投稿していました。その経験があるから、いろんな人に文章を読んでもらいたかったし、知ってもらいたかったので、無料でnoteを始めたんです。
記憶は匂いでよみがえる
浅野:人生の記憶の大半が仙台なので、色濃く覚えているのがその時代なんです。だから、1年後ぐらいにはデビューした頃の思いを書き始めるのかもしれないです。多分、自分の中で記憶を咀嚼して浄化しているんでしょうね。
――それもいい言葉です。しかも切ない思い出が多いです。
浅野:そうですね。嬉しさを文章に残すのは難しいです。
――これまた名言です。
浅野:嬉しさを書くと暑苦しさも伝わるので、それが私自身も嫌なんでしょうね。私自身も切ない文章に救われていたんです。だから、悲しみや切なさは自分だけじゃないんだって発信しているんです。
――喜びの共有は難しいけど、悲しみの共有はできますからね。今後、商業誌で連載を期待したいですけど、編集者の手が加わると面白くなくなるんでしょうね。
浅野:アーティストと一緒で万人受けを狙うと面白くなくなりそうです。
――なるほど。noteに書いてあるからこそ自由に書けます。noteはどういうタイミングで書きたくなるんですか?
浅野:匂いや雰囲気で記憶はよみがえることがありますよね。例えば春の匂いや色で過去の記憶がよみがえるので、そういうときに書きたくなるんです。あと一人で外に出かけると書きたくなります。
――みなさんにはぜひ浅野さんの文章を読んでほしいです。今後、新たに挑戦したいことはありますか?
浅野:アコースティックギターで弾き語りライブをしたいです。
――それは期待します。今後は哲学者っぽい一面をクローズアップされるセクシー女優に成長できそうです。
浅野:確かに哲学は好きだから、そういう一面も出していきたいです。
X:@korokorococoroo
note:「浅野こころのnote」
<取材・文・撮影/神楽坂文人(X:@kagurazakabunji)>
【神楽坂文人】
世界一セクシー女優を取材しているカメラマン、ライター、インタビュアー。元成人誌編集者のため、最後の砦として活躍中。年間イベント取材数300本超え! 年間インタビュー数200本超え! バイクで都内を駆け巡り1日で複数の仕事を受けている。X(旧Twitter):@kagurazakabunji
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