クルマ好き女子の矢田部明子です。今回はちょっと変わったクルマが登場です。
突然ですが……皆さん、霊柩車は大きく分けて4種類あるのをご存じでしょうか? ざっと説明すると、以下の通りです。
後部に屋敷(輿・宮)型の飾りがついた車両を「宮型霊柩車」、欧米式の特別な装備装飾を施した特殊仕様車両を「洋型霊柩車」。ほかには、霊バス型、バン型が存在します。最近、街で見かけるのは欧米式がほとんどです。
私が子供の頃は、宮型霊柩車が主流だったのですが(地域によります)、近年は稼働が減り、横須賀市の場合は全体の0.1%くらいになっているそうです。横須賀市の場合、宮型霊柩車は取材させていただいたこの1台のみとのこと。
霊柩車の秘密 その1
神輿のデザインの意味
目を引くのは、言わずもがな金色の屋根でしょう。よく見ると、極楽浄土の世界観を表す“龍”や“鳳凰”が描かれています。また、仏教では尊い花とされている“蓮の花”が随所に散りばめられています。
蓮の花がモチーフになっているのは、その昔、亡くなった方を神輿に担いで埋葬していた経緯があるからです。宮型霊柩車には、その歴史が落とし込まれていると言われているそうです。
霊柩車は葬儀場から火葬場までの移動に使われますが、昔はクラクションを長めに鳴らすのが定番だったそうです。
装飾には金箔が貼られているので、掃除する際にタオルでゴシゴシ拭いてしまうのはNG。優しく撫でるように拭くのが基本とのこと。
大変なのが銅製の屋根の維持で、白っぽいサビが出てきてしまうのだそうです。ベース車両は日産のプレジデントで、後席部分をカットし、宮を乗せています。
金額にすると、車両プラス1000万円ほどだそうです。お値段ですが、宮を作った際の木種や金属の割合などで変わります。また、通常よりも500~600kgほど重くなるため、足回りはかなり強化されています。
霊柩車の秘密 その2
2列目のドアの意外な活用法
扉を開けると、棺を乗せて運ぶレールが中央にあります。奥行きは2100mmほど。
棺を乗せる際は、ご遺族様を含めて5~6人で抱えてレールの上に乗せ、ピンでレールを固定します。棺のサイズは1800~1950mmに統一されています。
内装のデザインも外装と同様に龍と蓮となっています。
ドアを半分締めると、中の灯籠が消えるようになっています。
なお、霊柩車の御法度として「後戻りができない」という意味で、バックすることや、同じ道を戻ってくるのは良しとされていません。ですので、火葬場までの道とは異なる道で帰るようにしているのです。
2列目のドアはこのように開きます。ここはトランクとして使われ、スペアタイヤや雨除けのカバーを入れています。
霊柩車の秘密 その3
重量があるクルマゆえの乗りづらさ
後ろに壁があるので、リクライニングはできません。
重量があるので、揺れないように運転するのを心掛けているそうです。
以上、宮型霊柩車を紹介しましたが、いかがだったでしょうか? この記事では基本的に押さえておきたいポイントを、動画ではさらに詳しく解説しているので、よろしければご覧下さい。
■取材協力
筆者紹介:矢田部明子
中学生の頃、クルマのメカニズムに興味を持ち工業高等専門学校に入学。専門的な知識を学んできました。もちろん、クルマに乗るのも大好きで「ランドクルーザー60→ランドクルーザー76」と乗りついでいます。最近の唯一の癒しは、週末にオフロードに出かけることです!
クルマのメンテナンスなど工業高等専門学校で学んだ知識と経験を活かして、様々な角度からお役立ち情報をお届けしていきたいと思います。
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