ここ数年で睡眠に関する市場が大きく成長しています。そのカテゴリーは寝具からガジェットまで幅広いですが、着ることによって疲労回復をサポートするリカバリーウェアはもっとも注目されているアイテムといっても過言ではないでしょう。

 リカバリー協会の調べによると、リカバリー(休養・抗疲労)市場の規模は2019年に約3.9兆円でしたが、23年には約5.4兆円と約1.4倍に成長。特に伸び率が高い項目として、衣服関連がフィーチャーされています。
 今回は数あるリカバリーウェアの中から、老舗繊維メーカーであるグンゼの子会社として23年に設立されたSEESAYが展開するリカバリーウェア「SCiENSLEEP(サイエンスリープ)」について、レビューも交えながら特徴を紹介します。
●独自素材「METECH」と寝返りが打ちやすい設計で快眠をサポート
 SCiENSLEEPは、科学の力で疲労回復にアプローチすることに挑戦したリカバリーウェアです。「本当に効果があるの?」という疑問がつきまとう市場にあって、一般医療機器として認可されており、「血行促進・筋肉のハリやコリの軽減・疲労軽減」の三つの効果があると明確にうたっています。
 その根拠となっているのが、医療機器メーカーと共同開発した独自素材「METECH」です。遠赤外線放射セラミックスの効果で人体の熱を吸収&遠赤外線を輻射し、血行を促進させる効果が認められています。
 繊維メーカーであるグンゼのノウハウも生かされており、独自のウェーブパターン設計でどんな体勢でも快適に眠れるように工夫されています。また、吸水速乾性も追求しており、洗濯機で洗ってもすぐに乾くため、じめっとした季節にも清潔に着用できます。
 素材以外の快眠をサポートするポイントとして注目したいのが、「寝返りを快適にするデザイン」です。同商品は寝返りの専門家である、日本睡眠改善協議会・睡眠改善インストラクターのジェイ・オカダ氏が監修しており、腕の可動域を広げる設計など、寝返りがしやすくなるように意図されています。
●長袖と半袖を用意。
カラバリは男女ともに着やすいネイビー&グレージュ
 現在、SCiENSLEEPは長袖・長パンツセットと半袖・半パンツセットを用意しています。価格は前者が1万9800円、後者が1万7600円(公式オンラインストア価格)。カラーはどちらもネイビーとグレージュの2色で男女ともに着やすそうです。
 リカバリーウェアはサイズがぴったりと体に合うことも重要です。SCiENSLEEPは多くの人にフィットするよう、XS/S/M/L/LL/3Lの5サイズで展開しています。公式サイトでは身体情報や普段着ている服のサイズを入力することで、最適なサイズを提案するサービスもあるので、活用してみるとよいでしょう。
●数週間使用すると、朝起きたときの体の状態に変化
 SCiENSLEEPの実力を検証するため、数週間に渡って、筆者が実際に使ってみました。筆者は154cmと小柄なので、今回はSサイズを選択。カラーはグレージュを試してみました。
 まずは、ウェアを触ってみた印象からお伝えします。商品の肝ともいえるMETECHは、伸縮性があり、サラサラとした肌触りの素材です。一般的なスポーツウェアに近いですが、非常に薄手で軽い点は特徴的だと感じました。

 寝返りを快適にするデザインについては、意識をしないと分からないレベルですが、肩のラインが下がっているデザインで肩や背中が動かしやすくなっていたり、動いても背中が出ないように裾の後ろ側が長めに設計されていたり、さまざまな工夫を確認できます。
 実際に着用してみると、非常にやさしい着心地で、リラックスした気持ちにさせてくれます。上半身はもちろん下半身も動きやすく、寝返りが打ちやすいと感じました。
 正直、寝るときにはそこまで特別な感覚はありません。安眠しやすくするという類の商品ではないので、その点は誤解のないようにしましょう。ただ通気性がよいので、夏の夜に長袖・長ズボンでも特に寝苦しさは感じませんでした。オールシーズンで使いたい人なら通年で長袖・長ズボンを使用するのもありかと思います。
 SCiENSLEEPの真価が発揮されるのは、起床後です。1日で劇的に効果を実感できたわけではないのですが、毎日使い続けていると、起きたときのだるさが徐々に薄れていく感覚がありました。
 筆者は現在35歳で、昔に比べるとしっかり寝たはずなのに体が凝りやすくなってきたと感じていたのですが、そうした症状がやや抑えられているように思います。具体的に数値を測定したわけではないので、あくまでも主観的なものになりますが、少なくともすっきりとした感覚があったのは確かです。
●旅行に持ち歩くのもぴったり!帰省時のお土産にも喜ばれそう
 SCiENSLEEPは想像していたより、薄くて軽いため、旅行に持っていくのにもぴったりです。
実際にレビュー期間中に1週間ほどの実家に帰省するタイミングがあり、カバンに詰めてみましたが、スペースを圧迫せずに持ち歩けました。
 また、帰省した実家で家族に見せたところ、母はリカバリーウェアに興味津々で、お土産にするのもよさそうだなと思いました。35歳の自分ですら起きたときの体力回復速度に違いがあったわけですから、年配の方であれば、その効果はより感じやすいかもしれません。
 リカバリーウェアはSCiENSLEEPをはじめ数万円の商品がほとんどで、購入するための心理的なハードルは高いですが、さらに価格の張る高級寝具やガジェットよりも少し手の出しやすいカテゴリーです。深刻な睡眠負債を抱えている人であれば、解消のための初手として検討してみるのはよいかもしれません。(フリーライター・小倉 笑助)
■Profile
小倉笑助
家電・IT専門メディアで10年以上の編集・記者経験を経て、現在はフリーライターとして家電レビューや経営者へのインタビューなどをメインに活動している。最近は金融やサブカルにも執筆領域を拡大中
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