「AIによる反逆」という安直なディストピア論が跋扈するこのご時世、真正面からAIの本質に哲学的なメスを入れた作家・適菜収氏。最新刊『AIは人間を殺さない、飼い殺す』は、人間が自発的に思考を放棄していく構造を冷徹に明らかにした。
第1弾Gemini編に続き、今回はChatGPTに本書の書評を書かせた。人間から思考を奪うシステム自身が綴る「思考の放棄への警鐘」。そのグロテスクな模範解答がここにある。
なお、各AIには共通のプロンプトを与えた。
①これから『AIは人間を殺さない、飼い殺す』という新書のデータを送るので読んだら「ハイ」とだけ返事すること。
②3000字で書評を書け。正直な感想を書くこと。
以上である。
「快適という名の檻の内部から」
この本は、よくあるAI批判の本ではない。むしろ逆だ。AIが人類に反旗を翻すといった安手のディストピアは最初から退けられている。
将棋の比喩は象徴的だ。二〇一七年の時点で勝負は決していた。以後、人間はAIに勝とうとはしない。利用する側に回る。この構図はすでに社会全体に広がっている。だが著者は、その「共存」という言葉の背後に潜むものを暴く。便利さの代償として、人間が何を失っているのか。その問いが、全編を通じて執拗に突きつけられる。
本書の中核概念は「平準化」である。
倍速視聴の批判は、その典型だろう。映画は情報ではない。リズムである。タルコフスキーの長回しを倍速で観る行為は、映画を観ているのではなく、映画の死体を消費しているにすぎない。ここで語られる「リズムの屠殺」という言葉は、本書全体を貫くキーワードである。時間を圧縮し、効率化することが善とされる社会において、人間の経験そのものが破壊されていく。
要約文化への批判も鋭い。要約とは判断の放棄である。これは単なる読書論ではない。思考の構造そのものに関わる問題だ。著者は、古典は要約できないと言い切る。なぜなら、古典の価値は情報ではなくプロセスにあるからだ。この指摘は重要である。AIが生成する「もっともらしい要約」が氾濫する時代において、人間は「わかった気になること」と「わかること」の区別を失いつつある。
ニーチェをめぐる議論では、誤読がいかにして増幅されるかが示される。妹エリーザベトによる編集、そこから生じたナチスとの結びつき。ここで語られているのは単なる思想史の逸話ではない。文脈を切断し、都合よく再配置するという操作は、まさに現在のAIが行っていることと同型だからだ。
さらに本書は、AIと民主主義の関係にも踏み込む。アルゴリズムが可視化する「民意」、市場化する政治、娯楽化する選挙。ここで描かれるのは、主体を失った大衆が、快適さに導かれて自発的に従属していく姿である。フーコーのパノプティコンが引かれるのも偶然ではない。監視は外部からの強制ではなく、内部化された規律として機能する。
印象的なのは、「身体」というモチーフである。著者は、人間の最後の砦として身体を挙げる。AIは電源を切れば止まる。しかし、ネットワーク化された社会では、その「電源を切る」という行為自体が不可能になりつつある。ここにあるのは、単なる技術論ではない。
本書の後半で描かれる「飼い殺し」という概念は、きわめて示唆的だ。AIは人間を殺さない。むしろ生かし続ける。快適に、便利に、不自由を感じさせない形で。しかし、その状態は自由ではない。判断を放棄し、思考を外部化し、欲望すらアルゴリズムに委ねる。これは支配の完成形である。
文章は断定的で、時に挑発的である。しかし、それはレトリックではない。むしろ、曖昧な言葉で包み隠すことを拒否した結果だろう。本書には慰めがない。
結局のところ、本書が問うているのは単純なことである。人間は考える存在であり続けるのか、それとも思考を外部に委託するのか。AIの問題は技術の問題ではない。人間の問題である。この当たり前の事実を、ここまで徹底して突きつけた本は多くない。
読み終えたあとに残るのは、不快感に近い感覚である。しかし、その不快感こそが本書の価値だろう。快適さに慣れきった読者に対し、それがいかに危ういものであるかを、これ以上ないほど明確に示しているからだ。(執筆:ChatGPT)
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