誰もがうらやむシンデレラ・ストーリーを歩み続ける少女の名は、広瀬すず。
第1回では、独特な価値観の幼少期、そして何でも直球だった少女時代が判明。
芸能界に無関心だったバスケ少女の前に、ある日運命的な出逢いが訪れーー。写真を拡大
静岡にいた普通の少女は
“主人公”として開眼していく
——その後、お姉さんがモデルをやっていた雑誌『セブンティーン』(注※1)ですずさんもモデルをやることになり、それがきっっかけで、お姉さんと一緒の今の事務所に入ったわけですね。
広瀬 『セブンティーン』のオーディションで最後の4人に残って、雑誌に載ったんです。でもその中でもひとり変な笑顔で浮いてて。「あ、向いてない」って。オーディションは一般投票だったんですけど、「誰もいれないで!」って思ってました。
——主人公、後ろ向きですね(笑)。
広瀬 そうですね(笑)。一番最初の進研ゼミ(注※2)さんのCM撮影のときも、バスケの新人戦とカブったんです。「芸能活動は、バスケに影響しないから」って言われてたのに、思いっきり影響しちゃったから、「もうやだ!」って前日に大号泣して。
——でも、その進研ゼミのCMで注目されはじめたわけです。
広瀬 『海街diary』のオーディションがあって。

2015年6月公開(撮影は2014年4月)。4姉妹を演じた、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すずの4人が主演。香田家の3人姉妹と、離婚した父親と再婚相手のもとに生まれた〝浅野すず〟。父親の死をきっかけに、4人姉妹として生活をはじめるという物語。原作は吉田秋生による同名の漫画。監督は是枝裕和。第39回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作品となった。カンヌ映画祭でも上映された。
——オーディションは、どうでしたか?
広瀬 もともと、なんのオーディションか聞かされていなくて。しかも、必要だったリボンを忘れたんですよ。
ーーそれが、一次面接で。
広瀬 次が最終オーディションで、学校の制服で行ったんです。そしたら、他の人たちみんな私服で。静岡の田舎の制服が恥ずかしくて……。山形の方言でセリフ言わなくちゃいけなかったんですけど、他のみんなは完璧だったんです。でも私は全然ダメで。
——でも合格してしまいました。
広瀬 最初「監督、間違えてます!」って思いました。でも、あとあと聞いたら、「ひとりだけ陰があるところがよかった。あと猫背なのも良かった」「心を開いてない感じも良かった」って。
——『海街diary』は、綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、という4人姉妹の物語。キャスト豪華すぎます!
広瀬 最初の顔合わせのとき、「なんで目の前に綾瀬はるかさんが!』」て。……そのときは一般人感覚だったんで、心の中では呼び捨てだったんですけど(笑)。ビクビクブルブルって感じで。帰りたい帰りたい、話すことない話すことない。芸能人が本当に存在することを知った瞬間でした。『幻想的な世界の人たち』って思っていたから。
——たしかにすごいです。……主人公の第一試合としては。
広瀬 すごすぎですよ(笑)! 姉に、よくあんな暴言をはいてたなって思います。
——そのとき、お姉さんのことを思いだしました?

広瀬 すっごく思い出しました! 特に、『セブンティーン』の初めての撮影のときに、姉に仕込まれたんです。「とりあえず夜でも『おはようございます!』って言っておきなさい。あとは笑ってればいいから」って。自己紹介とかしたこともないし、何を話したらいいかわからなくて、とりあえず正面にいる人に、ずっと笑いかけていました(笑)。後々、「すず、あのときめっちゃ笑ってたよ」』って言われるくらい。本当に一般人だったんです! 役作りも、なんにもできないし。
——でもむしろ、いろんなことがはじめてだったからこそ、役作りは必要なかったのかもしれないですよね。
広瀬 そうですね。何も知らなかったからできたけど、変に計算しちゃうと思うんです。全然、今も思ったようにできないけど……。今だと台本を読んで、最後の結末を知ったうえで感情を考えていかないといけないんです。でも『海街』は、その場でセリフを監督から聞いて、お姉ちゃんたちの言葉に……笑っちゃったら笑っちゃうし、ギューってなったら涙出るし。
(注)
※1 『セブンティーン』
広瀬アリス、広瀬すずが専属モデルをつとめたファッション雑誌。ミスセブンティーン2012で、読者投票により、最後の4人に残る。2015年には、姉・広瀬アリスと共に、セブンティーン史上初の姉妹表紙を飾った。
※2 進研ゼミ
広瀬すず初のCM。夏に勉強する姿や、女子サッカー部の部活動など、さまざまな表情が見れる。「進研ゼミの子、カワイイ」と話題に。
※3 浅野すず
広瀬すずが演じた4姉妹の末っ子。名前が偶然同じ〝すず〟だった。本人も「同じ名前なんて運命ですね。役名と同じだから、最初から『すず』と呼んでもらえて打ち解けられた」と語った。また、この役で、第40回報知映画賞の新人賞を獲得。
このロングインタビューのダイジェスト版は、
8月24日(水)発売の『ストリートジャック』10月号でも読めます!
映画『四月は君の嘘』は
全国東宝系にて絶賛公開中!

一つの嘘が奇跡を起こす、切ないラブストーリー
母の死を境にピアノが弾けなくなった天才ピアニスト・有馬公生(山﨑)はある日、ヴァイオリニスト・宮園かおり(広瀬)に出会う。勝気で奔放だが、自由で楽しげに演奏する彼女に惹かれていく公生。しかし彼女はある秘密を抱えておりーー。監督:新城穀彦 原作:新川直司(講談社「月刊少年マガジン」所載) 出演:広瀬すず、山﨑賢人、石井杏奈、中川大志他 配給:東宝
詳しくはホームページをチェック! http://kimiuso-movie.jp/
Profile
広瀬すず
1998年6月19日生まれ、静岡県出身。ドラマや映画、CMに多数出演する傍ら、雑誌『Seventeen』専属モデルとしても活躍。TFM『SCHOOL OF LOCK! ~GIRL LOCKS!~』(毎月第2週担当/月~木22:15~)ではラジオのレギュラーパーソナリティも務めている。右の最新出演作に続き、2017年春公開予定の主演映画『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』が控える。