人気女優の逮捕劇に芸能界が揺れている。11月16日、合成麻薬「MDMA」を自宅に所持していたとして、沢尻エリカ容疑者が麻薬取締法違反容疑で警視庁組織犯罪対策部第5課に逮捕された。
売れっ子女優が表舞台から姿を消したことで、関係各所は対応に追われるなど、混乱の渦中だろう。なかでも、もっとも影響が大きいとされているのが来年1月からスタートするNHK大河ドラマ『麒麟がくる』だ。主要キャストの1人である沢尻容疑者は織田信長の正妻・濃姫という役柄を務めており、すでに撮影済みの初回から登場する予定だったという。しかし、今回の逮捕を受けて、異例の放送延期や代役での撮り直しなどが取り沙汰されている。
また、出演映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』が現在公開中のほか、沢尻容疑者は、サントリー「ほろよい」、ペプシ「ペプシNEX ZERO」、P&G「レノアハピネス」など多数のCMにも出演している。逮捕前日の11月15日には、求人情報検索サイト「Indeed Japan」の新CMがオンエアされたばかりだった。同CMで、沢尻容疑者はモデルの泉里香とともに軽快な“双子ダンス”を披露していたが、逮捕後に同社の公式ユーチューブチャンネルから動画が削除されており、ネット上では「わずか1日でお蔵入り」「幻のCMになってしまった」という声が上がっている。
また、「『世にも奇妙な物語』が現実になった」「“リアル世にも奇妙な物語”じゃん」という反応も見られる。どういうことだろうか。
「11月9日に放送された『世にも奇妙な物語’19秋の特別編』(フジテレビ系)の中で、『恋の記憶、止まらないで』という話がありました。
斉藤由貴が演じるシンガーソングライターが夢の中で流れていたメロディを新曲として発表したところ、久々のヒットを記録。しかし、実は子どもの頃に聞いていたそのCMソングを無意識に盗作してしまっていたという内容で、ホラー映画さながらの演出もあって『いろんな意味で怖すぎる』と話題に。近年、マンネリ化が指摘されていた『世にも』ですが、この展開には視聴者から『久々の傑作』『世にも奇妙な物語が完全復活』という声が上がりました。
もちろん、沢尻の場合は逮捕によるお蔵入りで細部は違いますが、『新CMがやむを得ない事情で封印される』『幻のCM』という都市伝説的なキーワードが現実になったことに、一部ネット上がざわついています。沢尻が逮捕される1週間前に放送されたばかりということもあって、共通項を見いだす人も少なくなかったようです」(週刊誌記者)
報道によると、ドラマや映画、CMなどの対応をめぐって、沢尻側の損害賠償金は5億円にのぼる可能性もあるという。NHK大河については「別に普通に放送すればいいのにね」(社会学者の古市憲寿氏)、「私は沢尻さんの大河ドラマを見たいと思う」(元女優の高樹沙耶氏)という声も上がっているが、果たしてどうなるか。
(文=編集部)