「いつ再開されるか、わからない状況でした。もしかしたらこのまま中止かなという思いも頭をよぎったのですが、集中しながら、いつ始まってもいいように身体を冷まさないようにしていました。グラウンドの状況も厳しかったので、仕方がないと割り切っていた」
ベンチで待機をしたり、ブルペンにいってキャッチボールをしたりと身体を動かすなどできる最善を尽くして時が来るのを待った。ただ、気負っていたマウンド上とは違い、この時間の中で冷静になることができた。
「どのような球から入ればいいかなと考えた」と横山。試合再開後のイメージを頭の中でつくり上げた。「グラウンドもこういうグチャグチャな状況。ボールも滑る」。時間はたっぷりあった。
「強いストレートでファウルを取って、最後はシンカーで落としてというイメージをつくって、試合に入ることができた。いいイメージをつくり出すことができたのでそこからは、それをずっとイメージして試合再開を待った」と振り返る。
グラウンド整備が終わり審判から試合再開を促されると8球、マウンド上で投球練習を行った。バックネット2階に設置されているビジョンに表示されている球速表示と自身の手応えが合致し、自信を深めた。
「しっかりと出力が出ていた。ビジョンのスピード表示は143キロくらい。投球練習で大体、これくらい出ると実際に投げると150キロくらい出る。これだったらいけるかなという感覚を持ちながら入れた」と言う。
打撃好調の奈良間大己内野手の1ボールから再開した。「高さだけ間違えないように強いストレートをゾーンに投げた」と、初球真ん中少し低めのストレートでストライクを取った。2球目、ファウルで追い込むと最後はシンカーを落として空振り三振。
「結果的には逆にあの時間が良かった。もしかしたらピンチをつくってそのまま試合が進んでいたら良くない結果になっていたかもしれない。いい時間になった」と横山はホッとした表情でベンチに戻った。
本来は試合の最後を締めるストッパーを任されているが、試合前から八回での起用もあるとサブロー監督から事前に聞かされていた。指揮官は「もちろん、基本、最後が横山。ただ勝つためにはこういうパターンもある。ファイターズ打線は強い。終盤の一番難しい場面、一番長打のある右打者に一番のピッチャーを当てようと思った」と説明した。横山も「事前に八回にいい打順が回ってきたら、いくかもしれないと言われていたので気持ちの準備もできていた。ありがたかった」と言った。
背番号「15」に変更し、選手会長にも就任して迎えた一年。チームの勝利に欠かせないパーツとしてマウンドで全力を尽くす。事前の準備と心構えが整った上での全力投球。27分の中断の中にプロ7年目、横山の妙味があった。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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