千葉県循環器病センター(市原市)は5日、2022年に胸部のコンピューター断層撮影(CT)検査で、のちに胸腺がんと発覚する縦隔の腫瘍を2人の医師が見落とす医療過誤があったと発表した。その後、がんは肥大しリンパ節にも転移。
患者の県内在住の60代女性(当時)は、切除手術を受ける機会を逃し、現在は専門の病院で化学療法を受けているという。
 縦隔は左右の肺の中央部分の空間で、心臓などの臓器が入る。胸腺はその中の臓器の1つで、免疫機能などをつかさどる。
 同センターや調査報告書によると、女性は22年に県内の別の病院でがん検診を受診。左肺の入り口にあたる「左肺門部結節」に影があるとして、二次検診で同センターを訪れた。同センターでは肺がん・結核検診担当の医師の指示で胸部のCT検査を受けたが、腫瘍が肺とは別の場所にあったことからこの医師が気づかなかったという。ダブルチェック担当の医師も見落とした。
 翌23年に女性が同病院でがん検診を受けた際に左肺の胸膜腔に異常が見つかったことで、再度同センターを受診。別の医師のCT検査で腫瘍が見つかり見落としが発覚した。22年の検査で発見されていればがんの切除ができた可能性があったという。
 同センターは女性や女性の家族に直接謝罪した。会見で同センターの中村精岳病院長は「肺とは違うところにがんがあったケースではあるが、当然診断すべきレベルだった」とし、「検診を受けてもらったにもかかわらず、結果を十分に患者さまのメリットにつなげられなかった。
申し訳ない気持ちでいっぱいで、深くおわび申し上げたい」と謝罪した。
(中田大貴)
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