1955年の開館以来、累計8000万人が訪れた広島平和記念資料館に焦点を当てたドキュメンタリー映画『原爆資料館 語り継ぐものたち』が、東京・ポレポレ東中野で7月18日より、広島・八丁座で7月24日より公開される。予告編が解禁された。

 広島平和記念資料館は、「もう二度と原爆の惨禍を繰り返してはならない」という思いのもと誕生した世界有数の平和博物館。原爆で溶けた瓦や石などの瓦礫(がれき)を集め、市内の公民館で「原爆参考資料陳列室」を開いた地質学者・長岡省吾の尽力によって礎が築かれた。

 現在は2万2000点を超える遺品や資料を収蔵。2006年には、建築家・丹下健三が設計した本館が戦後建築として初めて国の重要文化財に指定された。2025年度の年間入館者数は250万人を超え、3年連続で過去最多を更新。そのうち約4割を外国人が占めるなど、世界的な注目を集め続けている。

 本作は、長年にわたり資料館の歴史を映像として残したいと考えていた広島ホームテレビの立川直樹と斉藤俊幸が制作。100時間を超えるアーカイブ映像を見直して貴重な記録を掘り起こし、歴代館長たちの証言や未公開映像を交えながら、原爆資料館が歩んできた70年余りの歴史をたどる。

 解禁された予告編では、資料館誕生の経緯に加え、自らの被爆体験を語り続けてきた歴代館長たちの知られざる思いが明かされる。核兵器を巡る国際情勢が揺れ動く今、原爆資料館が世界に向けて発信し続けるメッセージとは何か。その存在意義を改めて問いかける内容となっている。

 また、音楽は映画『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』で知られる石橋英子が担当。静かで力強い旋律が、作品に込められた思いを際立たせている。

■斉藤俊幸監督のコメント
 2023年のG7広島サミットで12代館長の志賀賢治さんを取材した際、「何を見せたくなかったのか」と悔しがる志賀さんの姿に接し、その意味を掘り下げたいと映画を製作に携わることになりました。
 製作は、自社の資料館に関する100時間を超えるすべてのアーカイブ映像を見返すところから始まりましたが、未放送の映像の中には、今の私たちに響く館長たちの言葉がたくさん残っていました。
 海外の戦争博物館には武器などが展示されていますが、原爆資料館は市民から寄贈された遺品で成り立っている非常に特異な存在で、本作を通して、世界中の人たちに資料館を知ってもらうきっかけになればと願っています。

■立川直樹監督のコメント
 原爆資料館の展示は原爆で亡くなった方、被爆した方をはじめ、多くの人々の思いを背負っていて、核兵器が使われるかもしれない世界情勢の中だからこそ、その重みを伝えていかないといけない、いつかやりたいと頭の中で構想を描いていた作品でした。
 訪れる来館者に、理屈抜きで「絶対にだめだ」と感じさせるぶれない軸が資料館にはあります。そういった資料館の根底にある姿勢を、この作品を通して伝えられたらと思っています。そして、10年、20年、50年と、原爆資料館とセットで観ていただきたいと思っています。

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