キャディは、「建設業2024年問題に関するアンケート調査」結果を3月5日に発表した。同調査は、2024年1月30日~2月6日の期間、建設業(デベロッパー、ゼネコン、サブコン、工事会社、商社)に従事している4,494人を対象に、インターネットを用いて行われた。


2023年の時間外労働と休日出勤の月平均の実績を確認したところ、80時間以上が21%となった。2024年4月1日より働き方改革関連法が適用されることで、時間外労働の上限は「月45時間・年360時間」が原則となるが、実態として長時間労働が常態化していることが分かった。

また、時間外労働と休日出勤の合計が月45時間を超えた月がどのくらいあったのか聞いたところ、7カ月以上あった人は20%となった。時間外労働時間については、労働者と事業所が合意した場合は特別条項が適用となり、例外として年720時間(月平均60時間)の時間外労働が可能となるが、その場合でも月45時間を超えられるのは年6回までとなるため、現状では違反となる可能性のある企業もみられるという。

働き方改革関連法案の施行に関して、勤務先企業の状況を確認したところ、「想定される業務への影響に対してすでに対策を実施している」と回答したのは13%で最も少ない結果となった。「対策を検討している」(28%)、「業務にどのような影響がでるかを把握している」(29%)と続き、最多は「業務への影響を把握していない」(30%)だった。


働き方改革関連法案の施行への対策を聞いた設問では、「業務プロセスの見直しによる生産性の向上」が39%と最多となり、他の項目の倍以上のスコアとなった。「システム導入などのDXによる生産性の向上」(17%)、「採用によるリソースの増強」(13%)と続き、人手不足の対策として人材の採用を重要視している会社は少ない結果となった。

労働時間の上限規制により残業代を含む給与減少の懸念を聞いた設問では、「非常にある」「ある」「ある程度ある」と答えた人の合計が69%となり、約7割の人が給与減少の懸念があることが分かった。

また、勤務先企業での待遇の見直しについて聞いたところ、約半数の企業で見直しがあることが分かった。またその内訳としては、賃金のベースアップとともに働き方の柔軟化があげられた。