「オカネコ」を運営する400Fは6月11日、「オカネコ 夏のボーナスに関する調査」の結果を発表した。調査は2025年5月30日~6月1日、会社員276人を対象にインターネットで行われた。

○夏のボーナス「支給あり」73.6%

今年(2025年)の夏のボーナスに関する調査では、会社員の73.6%が「支給される予定」と回答した。一方「支給されない予定」8.7%、「ボーナスはない」17.7%だった。全体の約7割が今夏のボーナスを受け取る見通しであることが分かった。

○ボーナス支給額は「上がった」22.2%

今年の夏のボーナスが「支給される」と回答した会社員を対象に、昨年と比べた支給額の変化を尋ねたところ、22.2%が「上がった」と答えた。一方、「下がった」は13.3%で、「変わらない」が40.9%、「分からない」が23.6%だった。支給額が増えた人が一定の割合おり、明るい兆しもうかがえる。

○夏のボーナスに「満足していない」54.7%

今年の夏のボーナスが「支給される」と回答した会社員を対象に、夏のボーナスの満足度を尋ねると、「満足していない」と答えた人が54.7%で、「満足している」30.1%を大きく上回った。満足していない人の内訳は、「満足していない」28.1%、「どちらかというと満足していない」26.6%といずれも高い割合を示している。額面の増加があっても、生活実感としては十分でないと感じている人が多いことがわかった。

○夏のボーナスの使い道は「貯金」「資産形成」が中心

今年の夏のボーナスが「支給される」と回答した会社員を対象に、ボーナスの使い道を尋ねたところ、「貯金や預金」が65.0%で最も多く、次いで「資産形成(保険、NISA、不動産投資、投資信託等)」が49.3%だった。「旅行や外食」と「日常的な生活費」はいずれも28.1%だった。物価上昇や公共料金の高騰、将来への不安から、多くの人が「今は使わずに貯める」傾向にある。


資産形成の内訳では、86.0%が「NISA枠内での投資」を選んでおり、2024年のNISA制度の刷新による非課税メリットへの関心が高まっていることがわかる。また、NISA枠を超過しての積極的な運用を行っていることや、NISA対象外の商品への意向も高いことが見受けられる。2025年のボーナスは、「貯蓄による生活防衛」と「投資による資産形成」という二極化した戦略が鮮明になっている。

○使い切り期間は「ほとんど使わずに貯蓄」が最多

今年の夏のボーナスが「支給される」と回答した会社員を対象に、その使い切り期間について尋ねたところ、「ほとんど使わず貯蓄している」が36.5%で最多。次に多かったのは「1ヶ月~1年以内に使い切る」で29.6%だった。これに「1週間以内に使い切る」(3.9%)、「1週間~1ヶ月以内に使い切る」(6.9%)を加えると、約4割の人が1年以内にボーナスを使い切っていることがわかった。

物価高の長期化や将来の不安が根強く、収入増加以上に支出も増えている現状から、約3人に1人以上の割合で「まとまったお金は極力手をつけない」姿勢をとっていることが明らかになった。

○夏のボーナスは家計にとって「非常に重要」33.0%

会社員に対して家計におけるボーナスの重要度を尋ねたところ、「非常に重要(ないと日常生活に支障が出るレベル)」と答えた人は33.0%だった。さらに、「どちらかというと重要(なくても生活はできるが満足度が下がる)」と答えた人は34.1%で、約7割がボーナスを生活の重要な収入源として認識している。ボーナスの役割は本来の「生活を豊かにする加点要素」から「家計を支える基盤」へと変わりつつあるという変化が浮き彫りになった。
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