「今さら聞けない」バイクに関するさまざまな疑問や不安に、バイクライターがやさしく回答する本連載。今回は、「バッテリー」に関するお悩みです。


バッテリーが長持ちする使い方を知りたいです。(女性/51歳)

○バッテリーを長持ちさせる方法はズバリ……

バイクのバッテリーは消耗品なので必ず寿命がやってきますが、1年でダメにする人もいれば、5~6年以上無交換で使い続けている人もいます。人によってかなり差が出るバッテリーの寿命ですが、ズバリ長持ちさせる方法は“バイクに乗ること”です。

大半のバイクに使われているバッテリーは「鉛バッテリー」という形式の蓄電池で “満充電の状態ほど長持ちしやすい”という特性を持っています。ちなみにバッテリーが一番電気を使う(放電)のはセルモーターの起動時で、その時に使った電気は始動したエンジンの発電機から充電して取り戻すわけですが、最低でも15~30分以上の時間が必要と言われています。

バッテリーはこうした充放電を繰り返すことで内部の電極板などが徐々に劣化して性能が落ちていきます。メーカーが公表する平均的な寿命は2~3年ほどと言われていますが、それより短くなってしまう最大の原因は“充電不足の状態で長期間放置”してしまうことです。

バッテリーは充電した電気を溜めておくことができますが、配線を通して微量な電気が自然放電されています。乗らずに放置している時間が長いほど蓄電量が減ってしまいますが、すると内部の電極版に硫酸鉛の結晶が付着する「サルフェーション」という現象が進行します。この結晶は電気を通さないため、十分に充電することができず寿命を縮めてしまうのです。

これに対し、バッテリーが活性化する充電中や満充電の状態では「サルフェーション」が起きにくくなります。通勤や通学で毎日十キロ以上走っていたり、頻繁にツーリングに行く乗り方をしている人はバッテリーをしっかり充電させているため、結果的にバッテリーが長持ちするというわけです。
ちなみにアイドリングでは発電機の回転不足で充電力が下がるため、走行してエンジンの回転数を上げることが必要です。

このほかにも端子の清掃や、蓋のある解放式バッテリーは液量管理なども重要ですが、長期間乗れない場合は車体から端子を外して自己放電を防いだり、常時または定期的に充電器にかけるという方法もあります。最近はパルス充電でサルフェーションの除去が期待できる充電器も増えているようです。

このように、“満充電の状態”を意識すればバッテリー寿命を延ばすことができますが、ひとつ気をつけてほしいことがあります。現在のMF(メンテナンスフリータイプ)バッテリーは昔より長持ちするようになったものの、寿命が来ると突然死のように性能が落ちることもあるため、調子がよくても4~5年くらいで交換を考えたほうがよいということです。

なお、交換するバッテリーは有名メーカーの正規品以外にも海外製などの格安品が選べますが、こちらは初期不良率が高く、寿命も短い傾向にあるようです。トラブルが心配な方は高価でも有名メーカーのバッテリーを選び、充電系の点検も兼ねてショップに交換を依頼することをおすすめします。

津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら
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