花王ビューティリサーチ&クリエーションセンターは5月13日、「カラー・メイク嗜好調査」の結果をもとに、日本におけるメイクの20年間の変遷を分析し、今後のメイクの方向性を提案した。

○20年間支持され続ける「かわいい」の変化

同社は2005年より20年以上にわたり、化粧意識やファッション感度の高い女性を対象にカラー・メイク嗜好調査を実施している。


「なりたいイメージ」について19のイメージワードから選択してもらった結果、「かわいい」は2005年から常に1位または2位にあげられ、20年間を通して一貫して上位を占めた。

2007年からは「大人っぽい」も上位にみられたが、全体としては20年間「かわいい」が上位に位置している。「かわいい」以外の項目に注目すると、2005年は「ナチュラル」といった要素が強く、2007年からは「大人っぽい・フェミニン」、2010年からは「女っぽい」イメージも上位に加わった。さらに、2025年には「フェミニン・上品な」イメージも上位に入り、なりたいイメージは年代によって変化していることがわかる。

これら上位に選ばれた複数のイメージワードを組み合わせて分析した結果、若年層で支持され続けてきた「かわいい」は不動である一方、時代ごとに異なるニュアンスの「かわいい」が存在することが明らかになった。

○メイクはおおよそ3~4年周期でバランスが変化

続いて、眉・アイシャドウ・アイライン・マスカラ・チーク・ファンデーション・口紅の7つのカテゴリーについて「あなたがお化粧をする際に、どの部分に重点を置いていますか」と尋ねた。その回答を経年で分析した結果、おおよそ3~4年周期でメイクの重視点が変化してきたことが読み取れた。

また、2016年頃からは口紅を重視する傾向が高まったが、2020年以降は目もと(アイシャドウ・眉)へと関心が変化した。この背景には、新型コロナの感染拡大によるマスク着用の影響が一因と考えられる。その後、2025年にかけてはマスカラとアイラインが重視される傾向がみられる。

近年のSNSによる情報の多様化により、メイクの好みがパーソナル化していることから、一人ひとりが自分に合うメイクを主体的に選ぶ時代に変化してきている。その中で一番重視するポイントもそれぞれ異なる傾向が読み取れる。
こうした状況から、2026年以降もこの傾向が続くと予測される。
○メイクの多様化が進み、多文化要素が強まる

図3は「なりたいイメージ」と「メイク重視点」の調査結果に、当時のメイクトレンドと日本におけるSNSの変化をあわせて整理したもの。

メイクトレンドの発信源は、TVや雑誌の女優/モデル中心から読者モデルやインフルエンサーへ、さらに生活者一人ひとりへと広がった。その後、SNSの普及で年齢・性別にとらわれない表現が増え、価値観やライフスタイルに合わせて「自分に合うメイク」を選ぶ動きが強まった。そして2014年頃からはInstagramが普及し、TikTokも広がったことで、海外のメイク情報が身近になった。その結果、さまざまな国の美意識が混ざり合うことが日常化し、近年では韓国・中国・タイなどアジア圏の影響も強まっている。

こうした流れの中で、日本のメイクの役割は周囲に合わせる「身だしなみ」から、「自分らしさを心地よく楽しむ表現」へと広がっている。今後はボーダーレス化がさらに進み、多様性に多文化要素が一層強まることで、その重要性は高まると考えられる。世界的な不安や閉塞感が強まる中で、メイクは気分を整え、自分を肯定するための手段として、より自分らしく自由に楽しむものへと役割が広がりそうだ。
○今後のメイクトレンド予測

同社は、今後の「かわいい」メイクについて、年齢や性別にとらわれない多様性が引き続き重要となり、更にSNSなどから得られる多文化的要素を自由な発想や遊び心として取り入れ、個性をより引き立てる傾向が広がると予想している。

また同社では、多文化的なムードを背景に色や質感、デザインで遊ぶ感覚を大切にした「プレイフルかわいい」メイクを提案している。異なる価値観を柔軟に受け入れる今だからこそ、自分自身の個性を活かしながら、重視したいメイク部分に自由に"メリハリ"をつけ、そこに"ちょっとした遊び心"を入れるのが、これからのメイクポイントになりそうだという。

○プレイフルかわいいメイクのポイント

同社が提案する「プレイフルかわいい」メイクでは、目もとの"ナチュ盛り"がポイントだという。マスカラはっしっかりカールで束感仕上げ、アイラインで囲み目、アイシャドウは偏光感のあるキラキラ質感のものを目頭と下まぶた目尻に長めにいれるのがポイント。

そして、頬、フェースライン、あご、鼻、耳たぶなど、チークで自由に血色感を加える。

アイライナーはペンシルタイプやジェルタイプを使用し、上まぶたと下まぶたの色みを変え、仕上げにチップなどでラインをにじませる。さらに、ダークブラウンのアイライナーで目もとや口まわり、頬などに"ほくろ"を描き、遊び心もプラスできる。
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