大勢の復活は心強い限り。ブルペン陣の充実に阿部監督も手応えを感じているだろう(C)産経新聞社

 阿部慎之助新監督の指揮のもとV奪還を目指す巨人。

4-0でモノにした3月29日の開幕・阪神戦では、先発の戸郷翔征が6回無失点に抑え、7回を西舘勇陽、8回を中川皓太がつなぎ、最後は大勢がきっちりとゼロで締めた。昨年はリリーフ陣の不振で試合を落としていた巨人が、生まれ変わったかのようにゼロリレーを完成させたのである。

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 振り返れば、3月28日に明らかになった開幕1軍のメンバーは、期待感をうかがわせる顔ぶれだった。とりわけ、リリーフ投手が粒ぞろい。大勢、西舘勇陽、赤星優志、ケラー、中川皓太、バルドナード、船迫大雅、堀田賢慎、松井颯がリリーフ投手として開幕1軍に名を連ねた。

 開幕に間に合うか心配された絶対的守護神の大勢は、何とかコンディションを整えてオープン戦終盤の2試合に登板。

23日の楽天戦で失点を喫したが、24日の同じく楽天戦では1回を無失点で抑え、コンディションが上がっていることを首脳陣にアピール。

 大勢の前を投げる“8回の男”を担った中川は、オープン戦初登板となった2月25日のヤクルト戦で2失点するも、その後は5試合連続無失点を記録。その5試合のうちヒットはわずか1本しか許していない完璧な内容だった。

 開幕戦で7回を投げた西舘も存在感を発揮している。西舘は大学野球界屈指の好投手というふれこみの通り、オープン戦に5試合登板して防御率1.59という新人離れした成績。奪三振率も11.12と高く、リリーフ投手としての適性の高さをうかがわせていた。

 ただ、勝ちパターンの投手だけが充実しているわけではないのが今年の巨人の特徴だ。ロングリリーフ要員として赤星や松井がおり、ビハインド時に試したくなる堀田や船迫といった若手投手もいる。 また、昨シーズン21試合に登板して防御率1.69と好成績をマークしたバルドナードも面白い存在。もちろん、昨シーズン阪神で27試合に登板して防御率1.71と圧巻の数字を残したケラーも控えている。

 2軍には菊地大稀、横川凱といった1軍でのマウンド経験も豊富な選手もおり、層は厚くバランスも良い。昨シーズンは救援防御率がリーグワーストだった巨人ではあるが、今シーズンは序盤のリードをリリーフ陣でつないで逃げ切るゲームが増えるかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]