大谷に対する裏切り行為で波紋を広げた水原容疑者。その振る舞いが物議を醸している。

(C)Getty Images

 世間を騒然とさせるスキャンダルは依然として余波が収まる気配がない。大谷翔平(ドジャース)の元専属通訳だった水原一平容疑者による違法賭博問題だ。

【関連記事】水原容疑者が大谷翔平に“なりすませなかった”理由 銀行員との会話を聞いた米捜査員が証言「オオタニは流暢な英語は話さない」

 去る4月11日に公表された検察側からの訴状では、水原容疑者の悪質な行為が次々と明るみになった。

 違法賭博の胴元との間に抱えた負債を支払うため、大谷の口座から1600万ドル(約24億5000万円)もの多額資金を不正送金していた水原容疑者。“依存症だった”という同氏が2021年12月から2024年1月までの間に1万9000回もの賭けに興じ、総損失額1億8290万ドル(約279億8370万円)というギャンブルのスケールも衝撃を広げた。

 もっとも、大谷が21年シーズン終了後の記者会見で「一番お世話になった」という通り、水原容疑者の通訳としての才覚が秀でていたのは間違いない。

 米スポーツ専門局『ESPN』は、かつて日本ハムに所属していた助っ人外国人選手たちへの取材を実施。「日本での通訳の仕事をきっかけに、ミズハラは自分の道を見つけたかのように見えた」と水原容疑者の仕事ぶりをクローズアップした。

「彼は日本での僕のライフラインだった」

 そう語るのは、元助っ人右腕のミッチ・ライブラリーだ。2015年に日本ハムに在籍した38歳は、水原容疑者から日本での銀行口座の開設をはじめ、就労ビザの作成、さらに食料品の内容説明や、レストランでの注文方法など身の回りのあらゆる世話を徹底的に支えてもらったという。

 ライブラリーは、水原容疑者との関係性を振り返っている。

「通訳は文字通り自分の分身でもある。

彼らがいなければ、コミュニケーション手段も、手続きとかに必要な書類を作成する手段もない。だから僕は彼なしでは生きていけなかった。私は彼をチームの従業員の一人としてではなく、友人として見ていた」

 退団後も水原容疑者と連絡を取り続けていたというライブラリーだが、騒動発覚後は「連絡は取っていない。きっと脅迫の対応に忙しいんじゃないか」と吐露。そして、NPB時代にギャンブル依存症の兆候があったのかを問われ、こう振り返っている。

「イエスともノーとも、答えられないし、答えようとも思わない。

ただ、彼がギャンブルについて話しているのを僕は一度も聞いたことがない。でも、それに何か意味があるかはわからない。それが依存症というものだろう? 話さず、隠すんだ」

[文/構成:ココカラネクスト編集部]