打者として図抜けた数字を残している大谷。その活躍には小さくない注目が集まっている。

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 長きにわたるMLBにおいても“史上初の金字塔”を新たに打ち立てるべく、大谷翔平(ドジャース)は日々奮闘を続けている。

 昨年9月に右肘側副靭帯の損傷による手術を執行した影響から今季の大谷は打者専任。それも守備に就かない「DH」での専任となっている。そうしたなかで、ここまでの調子はすこぶる良い。現地時間5月24日のレッズ戦終了時点での主な打撃成績は、打率.342、13本塁打、13盗塁、出塁率.410、長打率.629、OPS1.039とハイアベレージを記録している。

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 ここまで圧巻の成績を出せば、必然的に3度目のMVP受賞も期待したくなる。

ただし、守備の貢献度がないフルタイムでDHを務める選手がMVPになった過去はメジャーリーグにない。ゆえに大谷が達成すれば、それは“金字塔”なのである。

 まさしく「走攻守」のマルチな能力も評価される米球界だけに、大谷と言えど、“打者だけ”でMVPに選出されるのは容易ではない。だが、これまでも不可能を可能にしてきた彼なら、と期待する者も少なくない。

 2006年にアメリカン・リーグMVPに輝いた経歴を持つジャスティン・モーノー氏もそのうちの一人だ。

 現地時間5月21日にMLB公式ネットワーク局『MLB Network』のラジオ番組「Radio on SiriusXM」に出演したモーノー氏は、「彼(大谷)から目を離すことは難しいし、彼のやっていることを無視することも難しい。

彼は必要とあれば、なんでもできる選手なんだ」と指摘。まず、二刀流という異能を評価したうえで「打者・大谷」を「メジャーリーグにきてからずっとエリートだよ。今年も最高の打者の一人だ」と絶賛した。

 かく言うモーノー氏もMLB通算247本塁打を放った強打者でもある。メジャーリーグの酸いも甘いも熟知する男は、大谷の“可能性”を次のようにも説いている。

「ショウヘイがドジャースと交わした長期的な大型契約はまだまだ始まったばかりだけど、すでに彼に対して『史上最高の野球選手として名を馳せることはない』と反論するのは難しい。

それはたとえ彼が二度と投げないとしても難しいね。それは本当だ」

 MVPを争うライバルは少なくないが、打席で異彩を放ち続ける大谷が栄冠を勝ち取るか。そのパフォーマンスは、現地でも大きな関心を集めている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]