群雄割拠のボクシング界で「世界最強」とも称される井上。その強さを名トレーナーも断言する。

(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext

 井上尚弥(大橋)のさらなる“ステップアップ”を推す名伯楽の言葉は重い。

 史上初の世界6階級制覇王者であるオスカー・オスカー・デ・ラ・ホーヤ(メキシコ)など数多の名選手たちを指導してきたメキシコ人名トレーナーのイグナシオ・ベリスタイン氏は、母国のスポーツメディア『Izquierdazo』で、井上のフェザー級行きにポジティブな見解を示した。

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 ここまでに4階級を制してきた井上は、昨年1月に転級したスーパーバンタム級でもわずか2戦で4団体統一王者に君臨。文字通り敵なし強さを誇示している現状から、ひとつ上のフェザー級行きを勧めるファンや識者は少なくない。

 適当と考えられる相手を見いだせず、スーパーバンタム級でのマッチメイクも混迷していることから、より多くの強敵が居並ぶフェザー級こそが井上にとって“最適”とする声も多い。そうしたなかで、意見を求められたベリスタイン氏は「イノウエがフェザー級に階級を上げれば、すべての選手が震えると思う」と断じている。

 理由は明確だ。IBF世界同級王者のルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)を引き合いに出し、「スタイルの相性は悪いかも分からないが、打撃はフェザー級でも非常に強い」と論じるベリスタイン氏は、かねてから囁かれる井上の国外進出論を絡め、こう熱弁を振るう。

「イノウエが日本から出てこないといけないということはない。なぜなら彼はその必要がないことを十分に証明している。その必要が出てくるのはフェザー級にジャンプした時だと私は考える。もちろん、アメリカは彼が稼いでいる金額以上のカネを支払わなければならないだろう。

日本での彼は毎試合400万ドルから500万ドル以上を稼いでいるんだ。そして、私はフェザー級のどの選手にも彼は勝てると思っているよ。相手のネームバリューがなんであれね」

 果たして、井上はベリスタイン氏の言うようにフェザー級も“圧倒”するのか。怪物の近未来に興味は尽きない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]