防御率0.84でトップを走る今永。この好調はいつまで続くのか(C)Getty Images

 好調なMLBルーキーシーズンを送る今永昇太は、ここまで防御率0.84という成績を残し、さらにデビューからの6連勝への期待も寄せられている。

開幕前までの評価は決して高くはなかったものの、まさに歴史に残る活躍を続けており、シーズンも2か月が経過する中で、今なお米球界において高い注目度を誇る存在だ。

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 まだメジャーキャリアを歩み始めたばかりの日本人左腕は、そのパフォーマンスによりさまざまな話題も提供する。米メディア『FANSIDED』では、「ショウタ・イマナガの獲得にもっと力を入れるべきだった3チーム」と銘打った特集記事を配信している。

 その中では、今永が繰り広げる圧倒的なピッチングを振り返りながら、「イマナガを逃して後悔しているチーム」の1つとして、最初にジャイアンツの名前を挙げた。

 同メディアは、ジャイアンツも今永獲得を目指していたと振り返りながら、開幕前にロビー・レイ、ブレイク・スネルが加入したものの、先発陣強化につながっておらずチーム勝率も5割付近であることから、補強が「期待外れだった」と強調。「プロセスの早い段階でイマナガに適度な資金を割り当てるべきだったかもしれない」と指摘しながら、「ジャイアンツはおそらく深刻な後悔とともにこの活躍を眺めていることだろう」と綴っている。

 また、2番目に紹介されているのは、ナ・リーグ東地区首位を独走しているフィリーズだ。チーム防御率は3点台前半をキープし、ここまでリーグ最多9勝をあげている、ランヘル・スアレスをはじめとする先発投手陣はいずれも申し分のない成績を残している。同メディアは「MLBでこれ以上の先発陣はいない」と評しながら、「イマナガを加えたフィリーズのローテーションを想像してみてほしい」とさらなるアップデートが可能だったと主張。

 加えて、球団がアジア市場開拓に注力している点にも触れ、今永ではなくドジャース入りとなった山本由伸獲得を熱心に目指していたとして、「フィリーズは決して資金不足ではないし、イマナガに支払う柔軟性も明らかにあった。ただ、必要な関心がなかったのは残念だ」と説いている。

 そして最後に挙がったのはブレーブス。

「ブレーブスは球界最高のチームのひとつ」と評価した上で、開幕投手のスペンサー・ストライダーが右ひじ故障により今季絶望となったことを受け、同メディアは「問題はただひとつ。ブレーブスには5人目の先発投手がいないのだ」と先発投手の枚数不足に言及。

「ストライダーの負傷を予測することはできなかった。しかし、だからといってブレーブスがイマナガのチャンスを逃したことを少しも後悔していないわけではない」と指摘。今永加入となった場合について、「昨シーズンに欠けていた層の厚さをアトランタにもたらしていただろう」との見解も示している。

 やはりトピックの内容からも今永の存在は、カブス以外のチームにとっても戦力強化の重要なピースとなっていた可能性は高いようだ。

そして、マウンド上で発揮されてきた投球のクオリティをみる限り、他球団関係者の歯ぎしりは、まだまだ鳴り止みそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]