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コミッショナーは「有観客」明言するも、沖縄キャンプでぬぐいき...の画像はこちら >>

 プロ野球とJリーグが合同で設置した新型コロナウイルス対策連絡会議の第46回が11日、オンラインで開かれ、プロ野球の斉藤惇コミッショナーは2月1日からの春季キャンプで2万人を上限にスタンドへファンを招き入れる方針を示した。

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 「キャンプについては自治体と話をつけてある。

大声を出さない、という条件で2万人以下。2万人集まることがキャンプの場合はないので、自然に2万人以下になると思うが。有観客でキャンプを開催するという位置付けにしている」

 今季の公式戦については観客数制限なしのフルキャパシティーでの開催を訴えている斉藤コミッショナーは、キャンプについても実質的にフル解放とする方針を示した。

 沖縄県では新型コロナウイルスの変異種、オミクロン株が猛威を振るい、まん延防止等重点措置が適用されたばかり。一時は2000人に迫る数の新規陽性者が1日に出て、11日も775人の感染が拡大されるなど、感染爆発とも言える状態に陥っている。

 自治体とは「話がついている」と前置いた斉藤コミッショナーだが、その時期については「昨年末」とも明かした。

オミクロン株による感染拡大が始まったのは年明け以降。さすがに当時と現在では状況がかけ離れすぎてはいる。ただし、沖縄県も、もう一つのキャンプ地である宮崎県にしても、キャンプ誘致は根幹産業の一つで、有観客となることで観光客による大きな経済効果が見込める。プロ野球にしても、昨年は無観客でのキャンプを経験し、スタンドにファンがいることによる緊張感の違いや充実度の差を痛いほど実感した。入場料が無料のキャンプを有観客にすることで、球団サイドにはさして金銭的な実入りはないが、そのことがチームや選手たちに大きなプラスの影響をもたらすことは分かっている。感染拡大に拍車をかけることは避けたいが、自治体と球団側は有観客とすることでウインウインの関係が保たれる構図でもある。

 斉藤コミッショナーは「今、自治体側から(受け入れ態勢を)変更したいという声が出ているかというと、そうでもありませんので。よほどのことがない限り、その条件で進行するだろうと思っている」と2万人以下での有観客キャンプ開催への自信も口にした。

 もっとも各球団には徹底した感染対策が強く求められるだろう。1カ月という長期にわたって集団生活を送るキャンプ。小さなほころびからウイルスの侵入を許せば、たちまちクラスターにつながりかねない。ホテルでの自室療養で済めばまだマシだが、既に逼迫している沖縄県の医療態勢に悪影響を及ぼすことだけは絶対に避けなければならない。

沖縄県内では感染や濃厚接触者となることで、働くことができない医療従事者たちが激増。救急の一部や一般外来の受け入れを停止する医療機関も相次いでいる。玉城デニー知事は逼迫している医療現場の支援へ、自衛隊に災害派遣を要請したばかりだ。

 また感染拡大がなおも続いていくと、今度は沖縄県への緊急事態宣言発令も視野に入ってくる。そうなった場合には、また新たな指針の下で、プロ野球サイドと各自治体による受け入れ態勢の再協議は避けられないだろう。いずれにせよ選手たちは必要最低限以外の外出禁止は義務づけられそうで、2年連続で厳戒態勢のキャンプを送ることになりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]