コロナ禍も相まって、世間における禁煙化の流れは加速しています。たばこは昔だったら大人の嗜みとされていましたが、たばこ税の引き上げに伴う値上げもあって、「たばこ離れ」は進む一方。
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健康志向の高まりの中、野球界はたばこに対して比較的寛容とされてきました。スポーツ紙の記者がその背景をひもときます。
「確かに近年、野球界にはイチローや大谷翔平といったアスリート型のスーパースターが君臨していますが、昭和の時代は技術に秀でた職人達が勝負を見せるという大人の世界でした。むしろストレスなくプレーに取り組むために、たばこは必要不可欠であるという考え方もあったぐらいです」
さすがに今では随分変わりましたが、あるチームの2軍練習場において、喫煙スペースは「ネタの宝庫」とされてきました。報道陣はそこにたむろしていれば、首脳陣から選手、チームスタッフが代わる代わる出入りして、心理的なガードが下がった状態でグラウンド内では明かさない本音をうっかり喋ってくれる貴重な場所だったからです。
そして球史に名を残すベテラン投手も、毎年のように本塁打を量産するスラッガーも、はたまたチームを掌握する名監督もみんな愛煙家-。
新人選手がチームに溶け込むための「コミュニケーション・ツール」だったのは、決して昔々の話ではありません。
ところがここ数年、いよいよ野球界も変革の時を迎えたのです。前述の記者が言います。
「球場の中には全面禁煙化の波が押し寄せたところもあります。これによって、『イニング間にこっそり一服』することができなくなった。
イライラが募るのか、集中力を欠いたプレーも目立ち、昨オフは大幅減俸となってしまいました。こうなるとたかが禁煙、されど禁煙。愛煙家の選手にとっては、生活を大きく脅かす事態とも言えそうです。
「とはいえ、野球界も世の中の流れと無縁ではいられない。愛煙家で知られていたある名監督が禁煙に成功したところ、今でも喫煙する選手に対して『甘い』『やればできる』とハッパをかけているとの話も聞きます(笑)。こうなるとたばこが原因で『自己管理ができていない』と出場機会が失われる選手が出てきてもおかしくないでしょう」
たばこに頼らず、強いストレスといかに向き合うか。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]