ついに大噴火した。阪神大山悠輔内野手(27)が3日の日本ハム戦で1試合3本塁打を放ち、6点差逆転勝ちの立役者となった。甲子園に凱旋(がいせん)したBIGBOSS新庄監督に序盤からペースを握られたが、あきらめない主砲は2回に10号、4回に11号、8回には逆転の口火を切る12号。本塁打の出にくい甲子園で奇跡的なソロ3発が、眠れる猛虎打線の大逆転を呼んだ。


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 阪神で5年連続2ケタ本塁打は、生え抜きの右打者だと岡田彰布以来。大山の1試合3発は18年以来2度目。阪神で1試合3本塁打を2度記録したのは田淵幸一(3度)、カークランド、金本知憲に次ぐ4人目。往年のタイガースのスラッガーたちに肩を並べた。

 一時期の不振から復調傾向にある大山。きっかけは、かわいい後輩にもあった。佐々木朗希世代の2019年阪神ドラフト1位・西純矢投手(20)の登板試合で、大山は4試合連続本塁打を継続している。「純矢のためにも、チームのためにもと思っている。たまたま純矢のところで重なっている」というが、偶然とは思えないほど相性がいい。

 投手への援護弾といえば、2016年ロッテのナバーロも、石川歩の登板試合で4試合連発をマークしたことがある。シーズン中に銃刀法違反で逮捕されるなど、お騒がせな助っ人砲だったが、その年の10本塁打中、4本を石川歩の勝利にささげた。ともに立派なヒゲを生やしている共通点があり、石川歩は「ヒゲの絆は『濃い』んです」と得意げだった。

 ちなみにデータでは、西純は大山以外からも援護を受けやすい数字が出ている。登板時に味方打線が挙げた得点を1試合あたりで換算した「援護率」が西純は「6.09点」と高い。登板5試合で防御率3.34とまずまずながら4勝1敗と白星が先行。対して、援護率が「2.09点」と規定投球回到達でもっとも低い投手が、阪神のエース西勇輝。10試合で防御率1.64の好成績ながら、3勝4敗と苦しんでいる。同じ「西」姓の親戚同士だが、援護率4点の違いはかなり大きい。

 復調したバットで記録づいている大山。西純の次回登板試合で「5試合連続援護弾」なるか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]