伊藤沙莉が主演する7月4日スタートのドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』(テレビ朝日系/毎週火曜21時)の完成披露試写会が行われ、伊藤、共演の中島健人Sexy Zone)、織田裕二、笠松将らが登壇し作品への思いや現場エピソードなどを語った。

【写真】織田裕二のモノマネも!? 完成披露試写会に出席した中島健人

 本作は、とある事情から執行官(各地方裁判所に所属する裁判所の職員で、裁判で出された結論が実現されない場合に、それを強制的に実現するのが仕事)の世界に飛び込んだ主人公・吉野ひかりが、“犬担当”の執行補助者としてさまざまな事件や人々に関わりながら、その人たちの人生のリスタートを目撃していく姿を描く。



 ゴールデン帯ドラマ初主演の伊藤が、ひょんなことから執行補助者となる吉野ひかり役、織田がひかりを執行補助者の道へと導く執行官・小原樹役、中島は小原たちが籍を置く執行官室の頼れる事務員・栗橋祐介役、笠松が運搬を担当する執行補助者・長窪桂十郎役を演じる。

 完成披露試写会当日は、高倍率の激戦を勝ち抜いて集まった観客を前に第1話が上映され、伊藤沙莉、中島健人、織田裕二、笠松将らメインキャストと、脚本の大森美香が登壇。伊藤は、今作がゴールデン帯連続ドラマ初主演となることについて「お芝居をすること、現場でやることはいつもと変わらないのですが」と話しつつも、「こうやって舞台に立たせていただくと責任を感じます」と、あらためて初主演の実感を噛みしめている様子。

 初共演の織田については「(撮影に入るまでは)オンでもオフでも緊張していた」が、始まってみると「すごく優しくて、面白い方」とイメージとのギャップがあったことを明かし、「(撮影に)入る前の自分に“意外と緊張しなくても大丈夫かも”と言ってあげたい」と笑顔で語った。

 また、中島も織田を「常に“大捜査線”にいらっしゃった方なので…」と表現し、「あの(『踊る大捜査線』の)エンドロールを見て育ってきた僕らにとっては《レジェンド》!」と初共演に感激。そんな若手2人のコメントを笑顔で聞いていた織田は「執行官室では僕が一番若手だった」と振り返り、豪華俳優陣との共演を存分に楽しんでいたことを語った。


 中島のドラマデビュー作で共演して以来、今回3回目の共演となる伊藤と中島。中島は伊藤のことを「幼なじみのような関係」と語り、「今回は沙莉を支える役として呼んでいただけてうれしかった」とにっこり。伊藤も「1日に何回か“感慨深いね”って話していた」と、仲の良さをうかがわせる会話を繰り広げた。

 一方、笠松は織田とのエピソードを披露。お互い「肌が弱い」という共通点があることがわかり盛り上がったそうで、「めっちゃ好きになった」と舞台上でラブコールを送った。そのほか、これまでさまざまな職業、役柄を演じてきた織田が、初めて執行官を演じ驚きの連続だったことを明かしたり、この春初めて女性執行官が誕生したことを聞いた伊藤が「うれしいし、応援しています!」とエールを贈ったりする場面も。


 また当日は、「伊藤と中島らが織田をある“あだ名”で呼んでいる」というスタッフからのタレコミも話題に。そのあだ名とは、【リビレジェ】。理由について中島は「“レジェンド”って言ったら、織田さんが“レジェンドじゃ死んでるみたいじゃないか”って言うので、リビング(生きてる)レジェンド、略して【リビレジェ】と呼んでいた」と、時折モノマネを交えながら説明。撮影現場でも頻繁に織田のモノマネをしていたという中島は、この日も会場で観客からリクエストされモノマネを披露していた。

 さらに、「ホワイトデーに中島健人からスタッフに青いバラが差し入れられた」というタレコミもあり、これをきっかけに登壇者3人の中で「もらった、もらってない」という議論が勃発。終始4人の和やかで楽しそうな雰囲気を感じ取ることができるイベントとなった。


 ドラマ『シッコウ!!~犬と私と執行官~』は、テレビ朝日系にて7月4日より毎週火曜21時放送(初回拡大スペシャル)。

メインキャスト、脚本家コメント全文は以下の通り。

<コメント全文>

■伊藤沙莉(吉野ひかり役)

私が演じる吉野ひかりは、動物好き、特に犬が大好きな女の子で、犬に関わるお仕事をしていたのにひょんなことから執行官というお仕事に関わっていく役柄です。知識においても視聴者にいちばん近いところの位置にいるキャラクターだと思います。

『シッコウ!!~犬と私と執行官』は、執行官という職業にスポットライトを当てた、新しいポップで痛快なお仕事エンターテインメントドラマです。皆さんが知らないこともたくさん詰め込まれていますが、全然難しくない、そんなヒューマンドラマになっていると思います。
毎話本当にかわいいワンちゃん、猫ちゃんが出てきますので、ぜひそこも癒やしにして、楽しんで見てください!

――今作がゴールデン帯連続ドラマ初主演ですが、あらためてどんな思いですか?

すごく不思議な気持ちですね。現場でやることはお芝居ですのでいつもと変わらないのですが、こうやって舞台上に立たせていただいたり、いろいろ責任問題みたいなことが起きたりすると、“あ、そうなんだ”っていう実感は時々、させていただいております。

――織田裕二さんとの初共演はいかがでしたか。

本当に楽しいです。撮影に入る前の自分に“意外と緊張しなくても大丈夫かも”と言ってあげたい感じです。やっぱりずっと小さい頃から家族で見ていた方なので、どんな人なんだろうとすごく緊張してました。
オンでもオフでも緊張していましたね。でもお会いしてみたらすごくやさしくて、お話がお好きな方で良かったなと思いますし、とても面白い方だったのですごくホッとして現場に臨むことができました。

――この春、初の女性執行官が誕生したそうです。

えーすごい!うれしいですね。女性執行官がいないことでどういうことが大変なのかとかドラマの中でもいろいろ語られていたりするので、シンプルに目指す人がいたということがうれしい。実際になるのがとても大変ですごく難しい職業なので、スタートでもありますが、晴れて1年生としての女性執行官が誕生したのはとってもうれしいです! 応援しています!

――差し押さえられたら困るものはありますか?

私は毎晩晩酌をするので、ソーダを作るやつを差し押さえられたら結構悲しいかもしれないです。
私、基本炭酸割りだし、ペットボトルとかエコのことを考えても、ウォーターサーバーのお水を炭酸にしているので、それがなくなったら一日の楽しみが大幅に減って、だいぶキツイですね。

■中島健人(栗橋祐介役)

栗橋という役は、執行官室にいる執行官の皆さんが執り行う、いろんな仕事を振り分ける事務員なんですけれども、執行官室にいる皆さん、特におじさま方のオアシス的な存在になっています。なので、全編通して僕の役が癒やしの空気感を皆さんにお届けできたらいいなと思いながら、演じさせていただいております。

――織田さんの印象をお聞かせ下さい。

 織田さんと共演させていただく前は、やはりレジェンドなのでちょっと緊張もしました。常に“大捜査線”にいた方ですし、あの走っているエンドロールを見て我々は育ってきていますから。だから、どうなってしまうのかな、常に緊迫の中で連ドラ3ヵ月間を走り抜いていかないといけないんだなっていうことを、去年からずっと思っていたんです。でも、実際にお会いしたら、気さくにお話をしてくださって、僕らの方がむしろ織田さんの和気あいあいとした空気に包んでいただきました。

――伊藤沙莉さんとは何度か共演されています。

 沙莉とは3回目の共演なんですが、今回、大森美香さんにお声がけいただき、そのチャンスをいただいて、沙莉のことを支える役としてこのドラマに出演できることがうれしかったです。自分のドラマデビュー作で共演しているので、ほぼ幼なじみのような関係なんです。そんな沙莉の主演ドラマに出演することができて、本当にうれしかったです。

――織田さんに、親しみをこめて“あるあだ名”を付けているそうですが、何と呼んでいるのでしょうか?

 会話の流れで「レジェンド」って言ったら、織田さんが「それだと、もうこの世にいないみたいじゃないか」とおっしゃったので、僕と沙莉で、「レジェンド」の前に「リビング(=生きている)」と付けたんです。なので、「リビングレジェンド」、略して「リビレジェ」になりました。織田さんもまんざらでもない顔をされていましたね(笑)。裏でも呼んでましたが、ちゃんと面と向かってオフィシャルでも言ってるので、公認です!

■笠松将(長窪桂十郎役)

僕が演じる長窪桂十郎は、伊藤沙莉ちゃん演じる主人公のいろんな手伝いをしながら、なんでも運ぶ…っていう役です。

――個性派揃いのキャスト陣ですが、撮影現場はいかがでしたか?

僕の役は執行官のお仕事ではなく、お願いされて運搬をするお仕事なのですが、たまに執行官室に行かせてもらうんです。すると、その場面はベテランの先輩方がいらして、皆さん、むちゃくちゃやってくださるから、楽しくて楽しくて(笑)。(その楽しさが)作品にも出てると思いますので、エンジンのかかっている感じを僕も早く観たいです。

現場でのエピソードはいっぱいあるんですが、僕が織田さんことを大好きになったエピソードがありまして。僕は肌がすごく弱いのですが、メイクさんにメイクをやっていただいている時に「肌弱いの? 俺も弱いんだよ」って言っていただいたんです。「人の弱みに寄り添ってくれるやん!」って、めっちゃ好きになって。ご自身の昔のお話や、お芝居のことはもちろん、それ以外のこともいろいろと教えていただいて、楽しかったです。

――今回犬と共演しました。

かわいいですし、何より頼もしいんですよ。中島さんとも「ワンちゃんのほうがリアクションが素直だね」と言っていました。変に作ったり、狙ったりせずに。学ぶことも多かったです。

■織田裕二(小原樹役)

小原樹という執行官を演じました。執行官と聞いても、みなさんピンとこないでしょう。「え~…死刑執行ですか?」と、だいぶ聞かれましたが、違います!世の中には、裁判で結論が出ても、支払うべきものを払ってくださらない方はいらっしゃいます。執行官はそれをきっちり回収する“国の最後の砦”です。

そんな中、小原はこの歳にして執行官1年生の役だったので、非常に楽しく演じさせていただきました。今日の試写会では第1話だけを見ていただきましたが、これからどんどんエンジンがかかって面白くなっていきますので、ぜひ最後までお付き合いください。

――伊藤沙莉さんと中島健人さんから、織田さんと共演するにあたって、撮影に入る前はすごく緊張されていたものの、実際にお会いしたら「すごく優しくてお話が好きな方でホッとした」「和気あいあいとした空気で包んでいただいた」とのお話がありました。

ありがとうございます。たぶんいろんな情報に惑わされていたんでしょうね(笑)。だいたい大げさに書かれるので…同じようなことをよく言われます。

今日登壇されているみなさんはすごく若いですが、実は執行官室では僕が一番若手なんです。そのくらい執行官室にはおじさんたちがたくさんいらっしゃいますので、自然と争いの空気が出ないんですね。「芝居のぶつかり合いがすごいのでは?」と、さっきも(取材で)言われたのですが、そういう感じではなくて…。「相手がカーブを投げるかな?シュートを投げるかな?どっちで来るんだろう」と、楽しみな毎日です。しかも、投げられてくる球が絶対に危険球にはならず、やられても気持ちいいんです。「もっとやってください」と感じるような現場だったので、楽しかったです。

――【執行官】という職業を演じるにあたり、どのように役作りを行ったのか教えて下さい。

実は元執行官の方が2人、現場にもちゃんと来てくださっているんです。僕は最初、彼らから「執行官は国家公務員なのに、基本給がない」という話を聞いてビックリしたんです。国家公務員といえば安定した人生というイメージが強く残っている中で、「全部出来高制で、執行していかないと…それも、お金で返されたら儲けになりません。ほぼ赤字です。差し押さえて、それを売った手数料を頂かないと、私たちは生活できません」と聞いて、「そんな職業があったのか! さまざまな国家公務員を演じさせていただいてきた中で、今までにないな」と。しかも、50歳を過ぎて1年生なんていうのが当たり前の世界なんて聞いたことないぞ、と。これは知らなきゃいかんだろうと思い、「ぜひぜひ深く聞きたいです」というところから始まったんです。

僕くらいの歳になると、いろんな役柄を通して勉強させていただいて、なんとなく実態の想像がつく職業が多い中、「えっ!?」と驚く毎日でした。もう掴んだと思っても、現場で毎回新たに教わることばかりだったので、楽しくて仕方なかったです。

■大森美香(脚本)

脚本を担当させていただきました大森美香と申します。今日来ていただいている皆さんは、ものすごい倍率だったと聞きました。本当にありがとうございます。私事ですが、大河ドラマを書き終わった後に、すごく“今”が書きたいと思ったんです。そこで何か“今”を切り取れるような題材はないかと思い、いろいろなお仕事を探している中で、執行官というお仕事を見つけました。このお仕事を通してだったら、今の日本のいろんなところが見えてくるんじゃないかと思い、執行官という仕事を題材に選びました。

そして、(伊藤)沙莉さんがおっしゃっていた通り、吉野ひかりちゃんは、視聴者と同じ目線で物事を見られる立場で、この世界に入っていく役どころとして描かせていただきました。今見ていただいた通り、1話はまだ(ひかりちゃんが)この世界に入っていったところです。これからどんどん皆さんと絡んでいき、話もどんどん膨らんでいきますので、今後も楽しんで見ていただけると、とてもうれしいです。