2013年7月7日に日曜劇場『半沢直樹』(TBS系)が放送開始して10周年を迎えた。主人公の銀行員・半沢直樹が、社内外の不正を暴いていく姿に視聴者は熱狂。
【写真】2013年版『半沢直樹』懐かしのキャストたち
■ 堺雅人
主人公の半沢直樹を演じた堺雅人は、この当時すでに『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)シリーズなどで人気俳優の仲間入りを果たし、同じ2013年3月には女優の菅野美穂と結婚。順風満帆な中でスタートした本作で、その人気を決定的なものにした。その後も2016年には三谷幸喜脚本の大河ドラマ『真田丸』(NHK総合ほか)で主演を務め、同作は高い評価を得た。2015年5月に誕生した長男、2018年12月に誕生した長女のパパでもある。昨年末をもって所属していた田辺エージェンシーを退社し、独立。今月からスタートする日曜劇場『VIVANT』(TBS系)で主演を務めることが発表されている。
■ 滝藤賢一
2013年版『半沢直樹』への出演で最もブレイクしたと言っても過言ではないのは、半沢と同期の銀行員・近藤直弼を演じた滝藤賢一だろう。実はそれまでも『踊る大捜査線』シリーズの中国人刑事役など映像作品にたびたび出演していたが、本作への出演で認知度が飛躍的にアップしたと言えよう。その後もコメディからシリアスまで幅広く演じているが、助演のみならずドラマ『コタキ兄弟と四苦八苦』(テレビ東京系)、『探偵が早すぎる』(日本テレビ系)シリーズなど主演作も多数ある売れっ子だ。
■ 吉田鋼太郎
のちに『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)シリーズで黒澤武蔵を演じて大ブレークした吉田鋼太郎だが、実は2013年の『半沢直樹』にも出演し、半沢周辺で唯一まともな上司だった内藤寛を演じていた。かつては演出家・蜷川幸雄の劇作の常連で、演劇ファンの間では認知されていたが、本作への出演によって一般的な認知度を一気に高めた。同作以降にも前述した『おっさんずラブ』をはじめコメディからシリアスな作品まで出演し、幅の広い演技力をいかんなく発揮している。
『半沢直樹』出演が転機に! 上司の腰巾着キャラを好演
■ 香川照之
2013年版『半沢直樹』で、主役の半沢に匹敵するインパクトを残したのは、“ラスボス”大和田暁を演じた香川照之だろう。特に最終回での“土下座”はドラマ史を彩る名場面となった。そんな高い人気もあってか、香川演じる大和田常務は原作に登場しない2020年版にも再登場している。香川はその後も活躍していたが、2022年8月に週刊誌にホステスへの性加害疑惑が報道され、当時金曜の司会を担当していた『THE TIME,』(TBS系)の生放送中に謝罪。同番組とともに複数のCMも降板した。同年12月、13代目市川團十郎白猿襲名披露の歌舞伎座公演に市川中車として出演し、俳優復帰している。
■ 宮川一朗太
2013年版の『半沢直樹』でインパクトある悪役と言えば、宮川一朗太演じる江島浩も外すことはできない。森田芳光監督の1983年公開の映画『家族ゲーム』のメインキャラクターに抜てきされたところからキャリアをスタートした宮川は、その後も数々のドラマ、映画に出演していたが、本作で演じた、銀行支店長の腰巾着で部下たちには横暴な態度を取り威張り散らすという悪役で新境地を開拓。宮川本人ものちに『半沢直樹』への出演が俳優としての転機だと語っており、以後善人から一癖も二癖もあるワルまで幅広くこなしている。