岡田麿里監督によるアニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』に、追加キャストとして瀬戸康史、林遣都の参加が決定。“変化は悪”とされる町の秘密に深く関わる重要なキャラクターを演じる。



【写真】瀬戸康史&林遣都が演じる菊入昭宗&時宗のキャラクタービジュアル

 本作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の脚本家であり、監督デビュー作『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里の監督2作目。数々のヒット作を手がけるスタジオMAPPA初のオリジナル劇場アニメーション作品だ。主人公・菊入正宗役を榎木淳弥、正宗の同級生・佐上睦実役を上田麗奈、謎の少女・五実役を久野美咲が演じる。主題歌は、作品世界にほれ込んだ中島みゆきが初のアニメーション映画への書き下ろし楽曲「心音(しんおん)」を提供した。

 突然起こった製鉄所の爆発事故により全ての出口を失い、時まで止まってしまった町。
住民たちは、いつか元に戻れるように“変化を禁じられた”生活をしていた。そんな中、鬱屈した日々を過ごす中学3年生の主人公・正宗は、謎めいた同級生の睦実に導かれ、喋ることのできない、野生の狼のような少女の存在を知る。やがて、この2人の少女と正宗との出会いによって生まれた、日常に飽きた少年少女たちの、止められない<恋する衝動>が、世界を壊し始める―。

 このたび、主人公・正宗の父親で製鉄所に勤める菊入昭宗役として瀬戸康史、同じく製鉄所に勤め、何かと正宗を気にかける叔父・菊入時宗役として林遣都の参加が決定した。

 声優初挑戦となる瀬戸は、大のアニメーション好きでも知られているが、本作の声優に決定した時のことを振り返り、「とても嬉しかったです。声優を務めるのは初めてなので『まさか自分が?』と思いましたし、MAPPA作品で、そして監督は岡田麿里さんですから、興奮しました」と喜びを語った。


 初めてのアフレコについては、「友人の入野自由に『声優をやることになったときは、何に気にすればいい?』と聞いたところ、『変に声を作ろうとしない方がいいんじゃないかな』というアドバイスをもらい、変に作り込まずに、あまり飾らずにやれたらいいなと思いました」とその心構えを明かした。

 『遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS』の藍神役に続いて声優として2作目に挑んだ林は、「声のお仕事は、またいつかチャレンジしたいなという思いがあったため、とても嬉しかったです」と喜ぶ。役を演じる上では、「岡田監督ともお話させていただいて、イメージをつかんでいきました。時宗は、自分の思いや、この世界に対する考えや価値観、あとは大切な人たちに対する感情など、ふさぎこみながら生きてきた男なのかなというイメージを持って演じました」と語った。

 監督の岡田は、本作が初声優となる瀬戸の演技に対して「昭宗というキャラクターを、第一声からばっちり掴んでいただいていました。飄々としているけれど、まぼろし工場の世界を支えてくださる包容力がある声で、まさに想像していた昭宗! そしてなにより、アニメの絵に乗った時に自然になるお芝居をしてくださって驚きました。
声優経験がないというのが信じられません」と大絶賛。

 林については「低めの大人っぽい演技のどこかに、生真面目さもしっかり感じる時宗を演じていただきました。展開が盛り上がっていくにつれて、林さんの声が本来もつ少年のような純粋さが前に出てきて、魅力的な主人公のようでした!」と太鼓判を押し、「何度もくりかえし挑戦していただいて、その真摯さにも感動しました」と語った。

 また、正宗の同級生の友達・笹倉大輔役に八代拓、新田篤史役に畠中祐、仙波康成役に小林大紀、睦実が学校で一緒にいる友達・園部裕子役に齋藤彩夏、原陽菜役に河瀬茉希、安見玲奈役に藤井ゆきよ、町にある見伏神社代々の社家で、睦実の義理の父親でもある製鉄所従業員・佐上衛役に佐藤せつじが決定している。

 アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は、9月15日より劇場公開。