視聴者からのハガキによる不平、不満、グチをもとに松居直美&磯野貴理子森尾由美がおしゃべりを繰り広げるトークバラエティ『はやく起きた朝は...』が、前身がスタートした1994年から今年で放送30年目に突入した。フジテレビが誇る長寿番組となった人気の秘訣は、何と言っても三人による赤裸々トークと、彼女たちの間に流れる和やかな空気感。

視聴者からは「親子三代で観ています」と声をかけられることもあるそうだが、三人にとっては同番組がライフワークになっているという。収録現場を訪れ、番組スタート時の思い出や、「この仲間がいて良かった」と実感した瞬間などを語り合ってもらった。

【写真】インタビュー中も番組の雰囲気そのまま! 笑顔あふれる三人

◼︎『はやく起きた朝は...』は、人生に欠かせないもの

――放送30年目のメモリアルイヤーを迎えた心境について教えてください。三人で過ごす30年は、どのような年月でしたか?

松居:30年というと短くはない年月ですが、いつも新鮮な気持ちで番組に臨んでいます。そんなふうにいられるのも、貴理子ちゃんと由美ちゃん、お二人のおかげです。どこかに行ったり、何かを食べたり、誰かとおしゃべりをしたとしても、いつも「今度、二人に話そう。どうやって話そうかな」と思ったりするので、こうやって定期的に会う時間がなかったら、私の人生はどうなっていたんだろうとちょっと壮大に考えたりもして。私にとって、こうして二人と話す時間は人生の中でも欠かせないものになっています。

森尾:私もまったく同じです。「30年」と口に出すとすごく長いように感じますが、この番組には、いつも自分の近況を二人に伝えに来ているような感覚で。直美ちゃんの言うように「何か二人にできる話がないかな」ということを踏まえながら生活をしていると、パッと見たお花もじっくりと観察してみたりと、いろいろなことを立ち止まって見渡してみるようになりました。この番組がなかったら、見過ごしてしまっていたことがたくさんあると思います。
この30年のおかげで、普段の生活をより丁寧に過ごせるようになりました。

磯野:30年、短かったですね! あっという間でした。「長く続けよう」と思ってやっていたことではないので、気づいたら30年が経っていた感覚です。ここまで続けてこれたのは、何よりも皆さんから送っていただくおハガキのおかげ。私たちは事前に収録の日に読みたいハガキを、自分たちで選んでいるんです。ハガキを選びながら「この話題、話したい!」と思うので、皆さんからのハガキがなかったら考えたり、話したりしなかったことばかり。改めて「ハガキがあるからこそ、この番組は成り立っているんだな」と感じて、感謝の気持ちでいっぱいです。

――番組長寿の秘訣について、どのように感じていますか。

松居&磯野&森尾:(番組プロデューサーの)三宅(恵介)さんのおかげ!(スタジオ爆笑)

松居:三宅さんはいつも「三人はお花のようにキレイだね」と褒めてくれるんです。でも最近は、そう言ってくれることが少なくなってきたかも(笑)。

磯野:「せっかくスタジオ内にあるお花が、三人の美しさのせいでかすんじゃう」って言ったのよ! 確かに最近は言わないね。

(スタジオにいた)三宅P:最近、目がよく見えなくなって…(笑)。
違う、違う! 言わなくても、そんなことは当たり前だからね!(笑) 言ったつもりになっちゃっているんだよ。

松居:こうやって、三宅さんが場を和ませたり、盛り上げてくれるおかげです!

森尾:それは間違いないね!

■30年を経て、お互いの「変わったところ」は?

――1994年の番組スタート時を振り返りつつ、お互いの目から見てそれぞれ「変わったな」と感じることはありますか?

森尾:私は当初「なぜ私をこの中に入れてくださったのかな。私でいいのかな」と思いながらこのお仕事を受けさせていただいて、「求められていることに応えられるのだろうか」と心配だったんです。でも三人で会わせていただいたときに、その気持ちはすぐになくなりました。「フリートークで」と言われても自然に話すことができたので、構えなくてもいいんだなと思うことができました。

磯野:最初は由美ちゃんだけが結婚していて、当時お子さんも生まれたばかりで。私と直美ちゃんは二人とも独身でした。由美ちゃんには、「結婚ってどんな感じ?」「子育てはどう?」といろいろと聞かせてもらって。特に私は知らないことだらけだったから、由美ちゃんには本当にいろいろなことを教えてもらったよね。

松居:お互いに変わったところ…なんだろう。逆に変わらないところが、「すごいな」と思います。由美ちゃんは、ずっとキレイ。
貴理子ちゃんに関しては、突然踊ったり歌ったりと、年々自由になっているような気もして(笑)。いつもいろいろなことに興味を持って取り組んでいるのが、すごいなと思います。

磯野:変わったなと思うところ、あるわよ! 直美ちゃんは最近とても涙もろくなった。

松居:それは由美ちゃんも、貴理子ちゃんもそう!

磯野:みんなか!(笑)

森尾:こればかりは年齢と共にね。しょうがない!

◼︎磯野貴理子「いつも二人に守られている。一人じゃない」

――20~50代という、いろいろなことを経験する年代をこの番組と共に歩んでこられました。30年の間、「この仲間がいて良かったな」と実感した瞬間があれば教えてください。

磯野:東日本大震災のときには、直美ちゃんがすぐに「貴理子ちゃん、大丈夫?」と電話をくれた上に、トイレットペーパーなどいろいろと重いものを抱えてきてくれました。その後も夜中に停電になったことがあったんですが、そのときには由美ちゃん、直美ちゃんが同時に連絡をくれたんです。「二人に守られているな」「私は一人じゃない」と感じて、夜中にすごくうれしくなって。そうやっていつも二人が心配してくれて、本当にありがたいなと思っています。

森尾:この年齢になると「こういうことはあまり人には話さない方がいいかな…」と恥ずかしくなったり、いろいろと考えたりしながら話したりするものですが、ここでは、良いこともちょっと言いづらいようなことでも、何でも言えてしまう。
最近は孫の話ばかりさせてもらっていますが、お二人が何でも聞いてくれるんですね。何でも話せるような雰囲気を持っているんです。三人とも生き方や考え方も違うので、「私はこう思う」というアドバイスをくれると、「ああ、そうか。そういう考え方もあるんだ」と気楽になれるんです。

磯野:そうなの!? こういった話は普段聞いたことがなかったので、すごくうれしい! 由美ちゃん、ありがとう!

松居:私も由美ちゃんと同じです。何か話したとしても、二人は絶対に否定しない。それがすごくうれしいですし、私はそんな二人から見習うことばかりです。貴理子ちゃんと由美ちゃんって、自分の面白さに気づいていないところがあって。私が笑うと、「これって面白いんだ!?」という顔をするときがあるんですよ(笑)。私は、二人の面白さをこんなに近くで見られるということが、とてもうれしくて。多分、私が一番視聴者の方々と同じ目線で二人のことを見ていると思います。

磯野:私と由美ちゃんは、直美ちゃんが笑ってくれるとすごくうれしいの。
直美ちゃんって、そういう存在!

◼︎「親子三代で観ている」というファンも多数!

――こうしてお話を伺っていても、収録現場全体が温かな雰囲気に包まれていて、お三方の息がぴったりと合っている様子が伝わってきます。この番組は、皆さんにとってどのような存在になっていますか?

松居:スタッフさんもずっと同じメンバーでやってきていますから、定期的にこのスタッフさん、そして二人に会えるのもすごく楽しいです。あとは金魚にご飯をあげる楽しみもあります。生き物がいて、生きているということを感じられる場所です。

磯野:ライフワークになっていることは間違いありません。言葉ではうまく説明ができませんが、私にとって本当に大切な場所です。

森尾:それぞれがコーナーを持っていて、私はアメリカならではの情報をお伝えすることもあります。お二人に何か聞かれたとしたら、それにしっかりと答えたいし…と思うと、やっぱりいろいろと勉強が必要になる。そういった意味では、私にとって学びの場にもなっています。

松居:脳トレだね! それもすごくいいことだね!

――いよいよファンの方と久しぶりにお会いできるイベント、『はやく起きた朝は...30年ありがとう ファン感謝デー』も近づいてきました。楽しみにしていることはありますか。

磯野:今回のイベントは、オフ会だと思っています。
とにかく、番組を観てくださっている方のお顔を見られるのが、とても楽しみ! いつもは私たちが一方的に話していますが、感謝デーでは目の前にお客様がいらっしゃるので、一緒におしゃべりすることができますよね。私は番組内でも“ど忘れ”しちゃうんですが、何百人かのお客様がいらっしゃったら、絶対に誰かが答えを教えてくれますよね(笑)。皆さんと、ワイワイおしゃべりができたらうれしいなと思っています。

松居:常日頃、私がお二人を見ながら感じている面白さを、ぜひ生で体験してほしいです!(笑)

森尾:普段、「この番組を楽しみにしています」と声をかけてくださる方もとても多いんですよ。前回のオンステージをやってから少し間が空いているので、皆さんに日頃の感謝をお伝えできる場になればとてもうれしいなと思っています。

磯野:「親子三代で観ています」と言ってくださる方もいるもんね。ファンの集いとして、皆さんと一緒に楽しむ時間になればいいなと思っています!

(取材・文:成田おり枝 写真:高野広美)

 『はやく起きた朝は...』は、フジテレビ系にて毎週日曜6時30分放送。『はやく起きた朝は...30年ありがとう ファン感謝デー』は、7月20日~23日東京・シアター1010にて開催。

編集部おすすめ