声優上田麗奈と久野美咲が4日、都内で行われたアニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』舞台あいさつ付きプレミア試写会に、岡田麿里監督と共に出席。上田が、本作を通して「恋っていいなと、やっぱり思いました」と笑顔で語った。



【写真】上田麗奈&久野美咲&岡田麿里監督、舞台あいさつに登場

 本作は、『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』の脚本家であり、監督デビュー作『さよならの朝に約束の花をかざろう』で国内外から高い評価を得た岡田麿里の監督2作目。変化を禁じられた世界で、止められない“恋する衝動”を武器に未来へともがく者たちの物語となっている。

 前日まで編集作業が行われていたというほど、製作陣のこだわりが詰まった本作。司会から「気合いが入りすぎて転倒してしまった」と紹介された岡田監督は足をケガしてしまったそうで、松葉杖をついての登壇となった。

 本作で描かれた変化を禁じられた世界の話題では、榎木淳弥演じる主人公・菊入正宗の同級生・佐上睦実役の上田が「私はどちらかというとポジティブに受け取ってしまうかもしれない」と告白。
その理由を「うちに猫ちゃんがいるからだと思うんですけど、ずっと変わらずにずっと一緒にいられるんだったら幸せだなと」と自らの考えを明かした。

 謎の少女・五実役の久野は「初めて脚本を読んだ時に、この世界観がとても息苦しく感じてしまった」とコメント。続けて「でも別にネガティブっていうわけではない」とした上で、「私たちの日常でも『本来望んでいる状況じゃないけど、安定して毎日暮らせているな』みたいな感覚って、誰しも感じながら生きていたりするのかなという風に思って。だから日常生活と重ねられる部分もあるなという風に思いました」と持論を展開していた。

 “恋する衝動”が鍵となる本作を経て、上田は「恋っていいなと、やっぱり思いました」とにっこり。「もどかしいなとか、苦しいなとか、そういうものも見ていてすごく感じたんですけど、それがあるから世界が変わる」と作品の展開に絡めて伝えていた。


 この日は、作品世界に惚れ込み、本作で初めてアニメーション映画へ楽曲を書き下ろした中島みゆきからの音声メッセージも紹介された。中島の「中島はとにかくもう岡田様を尊敬申し上げております」との言葉に、岡田監督は「毛穴が開きまくって...」と感激。主題歌「心音(しんおん)」についても「本当にすごい良い曲なんですよ」とアピールしていた。

 なお、榎木は新型コロナウイルスへの感染が確認されたため本舞台あいさつを欠席した。

 アニメ映画『アリスとテレスのまぼろし工場』は、9月15日より劇場公開。