部活に打ち込むひたむきさと、誰かを思う心の揺れを繊細に描くテレビアニメ『アオのハコ』。待望のSeason2が10月4日からスタートする。

自分の中に芽生えた感情をまだ言葉にしきれない鹿野千夏と、大喜からの答えを受けてもなお、簡単には思いを手放せない蝶野雛。Season1を経て新たな一歩を踏み出す二人を、キャストはどのように捉え、声にしたのか。千夏役の上田麗奈と雛役の鬼頭明里に、木戸夢佳との再会が映し出す千夏の過去、互いに抱く羨望、そして二人自身を支える言葉まで、“好き”のその先に広がるSeason2の見どころを聞いた。

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■「好き」と「諦めなきゃ」の間で――Season2で動き出す二人の心

――Season2では、物語の雰囲気やキャラクター同士の関係性に、Season1からどのような変化を感じましたか?

上田:Season2のアフレコに入る際、「今回は千夏の表情をこれまで以上に見せていきたい」「コミカルなシーンも少し増やしていきたい」と伺いました。それに伴い、千夏のお芝居の方向性も変わっています。

Season1では、大喜にも視聴者の皆さんにも、千夏の感情が見えすぎないように演じていました。一方、Season2では、もう少し感情表現を豊かにし、声にも思いをにじませてほしい、と。第1話はまだ、Season1とSeason2の中間くらいのさじ加減で演じましたが、第2話以降は、内側にある思いが少しずつ表へ現れるよう、のびのびと表現することを心がけています。これまで見えにくかった千夏の心の動きを、より身近に感じていただけることが、Season2の大きな変化だと思います。

鬼頭:雛はSeason1の最後で大喜に振られたことで、彼への接し方が大きく変わっています。ただ、振られたからといって、それまで抱えてきた思いを急に消せるわけではないんですよね。「好き」という気持ちは残っている。
でも同時に、「もう諦めなきゃ」と自分に言い聞かせてもいる。それでも大喜を目の前にすると、やっぱり気になってしまう。

Season2では、そんな相反する思いの間で揺れる雛の心を意識して演じています。大喜との距離を変えようとする理性と、まだ好きだという気持ち。そのどちらか一方には割り切れないところが、Season1とは大きく違う部分だと思います。

――千夏と雛は、それぞれ異なる形で大喜との関係を築いてきました。相手に対して「うらやましい」「自分にはかなわない」と感じるのは、どのような部分だと思いますか?

上田:正解かどうかは分かりませんが、私自身の受け止め方としては、千夏にとって、大喜と雛が長い時間をかけて築いてきた関係や、二人だけの会話のテンポは、どうしてもかなわないと感じる部分だと思います。周囲から見ても、大喜と雛が一緒にいる姿はとても自然に映っている。そうした二人を目の当たりにすると、千夏はそこへ踏み込む勇気をなかなか持てなくなってしまうのかなと思います。

鬼頭:同居はもう、ずるいですよね。物理的な距離が近いだけでなく、お互いに「部活を頑張ろう」と励まし合える関係でもある。雛は「自分が頑張らなきゃ」「一人で頑張らなきゃ」と思うタイプだからこそ、そばで支え合える大喜と千夏の関係は、すごく強く見えると思います。
単に一緒に過ごす時間が長いだけではなく、気持ちの面でも支え合えている。雛にとっては、そうした関係性がうらやましいのかなと思います。

■大切だからこそ、言葉にできない――夢佳との再会が映す千夏の原点

――Season2からは、千夏のミニバス時代のチームメイト・木戸夢佳が登場します。夢佳との再会によって浮かび上がる千夏の過去や、これまで見せてこなかった一面を、どのように受け止めましたか?

上田:千夏にとって夢佳は、バスケへの憧れや「バスケが好き」という気持ちの原点に近い人です。身近な人の中で初めて目標になった存在で、夢佳がいたからこそ、努力した先にある景色を思い描きながら頑張ることができた。バスケ選手としての千夏を形作るうえで、とても大きな存在だと思います。

それだけ大切な相手だからこそ、再会したときの千夏の中には、ひと言では表せないさまざまな感情が生まれます。相手を思うほど、何かを聞くことも、自分の気持ちを伝えることも怖くなってしまう。夢佳との関係を通して、これまで表には見えにくかった千夏の弱さや不器用さも浮かび上がります。夢佳が千夏にどのような変化をもたらすのか、見守っていただけたらと思います。

鬼頭:すごくリアルな関係性ですよね。お互いに憧れや尊敬があるからこそ生まれる複雑な感情があって、それがすれ違いにつながり、長く疎遠になってしまう。
大切な相手だからこそ考えすぎて、かえって気持ちを言葉にできなくなることもある。そういうところも含めて、とても人間らしい関係だと感じました。

二人の関係を見ていると、改めて「話すことは大事なんだな」と思います。千夏は、自分の気持ちを言葉にして相手へ伝えることが、あまり得意ではないと思うんです。そんな千夏が夢佳とどう向き合い、普段は見せない感情をどのように表していくのか。そして、そこに大喜がどう関わっていくのかにも注目していただきたいです。

――千夏と雛は、それぞれの競技に真剣に向き合うアスリートです。お二人自身は、何かに打ち込んでいるとき、どのような言葉で応援してもらえるとうれしいですか?

鬼頭:私は、頑張っている最中のことをあまり人に言わないんです。みんなの知らないところで努力して、いつの間にか何かを成し遂げたあとに、「すごい!」と言ってもらえるのが好きなんですよね(笑)。途中で応援してもらうというより、結果を見て驚いてもらいたい。だから、頑張っているときほど誰にも言わず、最後に結果だけをぽんと出したいタイプです。

上田:雛っぽい(笑)。
私は何かを頑張っていると、「頑張ったのに、うまくいかなかったらどうしよう」と、まだ起きてもいないことをすぐに想像してしまうんです。いつも「怖いな」と思いながら取り組んでいるので、そんなときに「今の自分にできることしかできないんだから、無理に背伸びしなくていいよ」と言ってもらえると、「そうだった」と少し肩の力を抜けます。

たとえ練習ではできていたことが本番でできなかったとしても、そのときに出せたものが、今の自分にできることだった。自分に期待することは悪くないけれど、期待しすぎて自分を追い込まなくてもいい。そんなふうに、もう少し気を抜いてもいいと思わせてくれる言葉をもらえると、安心します。

――最後に、Season2の放送を楽しみにしている皆さんへ、改めて注目してほしいポイントとメッセージをお願いします。

上田:Season1ではまだ、千夏自身も、自分の中にある感情が恋なのかどうかを確かめている途中だったと思います。Season2では、その気持ちとさらに向き合いながら、自分なりの答えを探していきます。

私が演じるうえで特に大切にしたのは、千夏の中にある「好き」という感情です。ひと言で「好き」といっても、それが誰に、何に向けられたものなのかによって、意味も色も変わってくる。千夏のさまざまな「好き」がどこへ向かい、どのような表情となって現れるのか。その心の動きに注目しながら、Season2を楽しんでいただけたらうれしいです。


鬼頭:Season1でさまざまなことを経験したことで、Season2では雛の大喜への向き合い方も大きく変わっていきます。その中で、雛が何を思い、どんな行動を選び、その先をどう歩んでいくのかに注目していただきたいです。

さらに、新しいキャラクターもたくさん登場し、物語の景色も大きく広がっていきます。新たな出会いによって、それぞれの関係がどう動き出すのか。雛が選ぶ次の一歩とともに、それぞれが抱える思いの行方を、ぜひ見守ってください。

(取材・文・写真:吉野庫之介)

 テレビアニメ『アオのハコ』Season2は、TBS系全国28局ネットにて10月4日より毎週日曜16時30分から放送。

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