■普通預金は金利が年0.5%へ
日本銀行は2026年9月18日、政策金利を1%から1.25%へ引き上げました。三菱UFJ銀行は11月2日から普通預金金利を年0.4%から年0.5%へ引き上げます。


一方、2026年10月時点のスーパー定期は、1年が年0.5%、3年が年0.8%、5年が年1%です。普通預金と1年定期の金利は同じですが、3年、5年と期間を長くすると金利差が広がります。

■0.1%の金利差は100万円で年1000円
金利差を金額にすると判断しやすくなります。

100万円の場合、年0.1%の差は税引前で年間1000円です。0.3%なら3000円、0.5%なら5000円になります。

500万円なら、それぞれ5000円、1万5000円、2万5000円です。

つまり「0.5%も違う」と見るか、「100万円なら年間5000円の違い」と見るかで印象は変わります。

■5年定期なら5年間で2万5000円の差
普通預金が年0.5%、5年定期が年1%なら、金利差は0.5%です。

100万円を5年間置いたと単純計算すると、普通預金の利息は税引前2万5000円、5年定期なら5万円。差は2万5000円になります。

ただし、この比較は普通預金の年0.5%が5年間変わらないと仮定した場合です。

普通預金は変動金利なので、今後の利上げで0.6%、0.7%と上昇すれば差は縮まります。
反対に金利が低下すれば、年1%を固定した5年定期が有利になります。

■定期預金には「自由に使えない期間」がある
金利差と一緒に考えたいのが、お金を動かしやすいかどうかです。

普通預金なら必要なときに引き出せますが、定期預金は満期前に解約すると、当初の金利より低い期限前解約利率が適用されることがあります。

例えば100万円を5年定期にして得られる普通預金との差が5年間で2万5000円なら、その2万5000円と引き換えに、5年間金利を固定することになります。

数年以内に使う可能性があるお金なら、金利差だけで定期預金を選ぶ必要はありません。

■500万円なら金利差も大きくなる
預ける金額が大きくなれば、同じ金利差でも金額は変わります。

500万円なら、普通預金0.5%の利息は年間2万5000円、5年定期1%なら年間5万円です。年間2万5000円、5年間では単純計算で12万5000円の差になります。

100万円では小さく見えた0.5%の差も、預金額が大きければ無視しにくくなります。「何%高いか」だけでなく、「自分の預金額なら何円違うか」で見る方が比較しやすくなります。

■金利差と使う時期を一緒に見る
普通預金と定期預金のどちらがよいかは、金利差だけでは決まりません。

近いうちに使うお金なら、普通預金の自由度には意味があります。
一方、5年間使う予定のないお金なら、現在の金利を固定できる定期預金も選択肢になります。

100万円なら金利差0.1%で年間1000円、0.5%で年間5000円。この金額を確認したうえで、お金をいつ使うのかと合わせて預け先を決めると分かりやすいでしょう。

※預金金利は三菱UFJ銀行の2026年10月時点のスーパー定期と、11月2日から適用される普通預金年0.5%を参照しています。利息は税引前の単純計算で、実際の受取額には税金がかかります。普通預金の金利は将来変動する可能性があります。

文:田代 昌之(金融文筆家)
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、グループの暗号資産交換業者や証券会社の取締役に従事し、2024年よりフリー。ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
編集部おすすめ