人気小説家・山田悠介の作家デビュー作で、劇場版映画としてこれまで5本ものシリーズが製作された『リアル鬼ごっこ』。佐藤姓の人間に鬼ごっこをさせ、鬼に捕まった者は処刑されるという、とある王国で繰り広げられる命を懸けた主人公たちのサバイバルを描く。
そんな原作をベースに、新たな物語を紡ぐ連続テレビドラマ『リアル鬼ごっこ THE ORGIN』が4月9日からテレ玉、チバテレ、tvkにてスタートする。主人公の佐藤翼を演じるのが、子役出身の手俳優・本郷奏多。同作で連続ドラマ初単独主演を飾る本郷が、今だからこそ語れる子役時代の心境や悩んだ末の大学進学で得た、かけがえのないものを教えてくれた。

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 今年の3月に大学を卒業し、現在22歳。映画『リターナー』でデビュー。14歳で初主演した映画『HINOKIO』と順調なキャリアを歩み、高校卒業後は俳優を生業にしようと思っていた本郷だが「役者というのは自分の経験値以上のものは出せない職種。大学は勉強だけを学ぶ場所でもないし、若いうちにしかできないこともある」と大学進学を決意。結果として「人間関係を含め、得たものはたくさんあります。大学進学を迷っていた時期もあったけれど、進学して本当に良かった」と充実した4年間に思いをはせる。

 本郷が大学生活で得た何よりも代え難いものというのは、同じキャンパスで学び、遊んだ友人たちの存在だ。「小学生時代は、自分が出演した作品を皆が観てくれるのが純粋に嬉しかった。ただそれと同時に色々な自由が奪われているのを感じたことも確かです。
年相応の普通の人の生活ができない面も出てきて、世の中を斜に構えるように見てしまった時期もありました」と当時の心境を語る。そんな思いを抱えながらも俳優業を続けたのは「小さな犠牲と俳優業を天秤にかけたとき、どちらが重いか結果は明らかです。自分でやりたいと進んだ道だし、自由が奪われていると感じながらも、俳優という仕事の素晴らしは十分理解していたから」という。 大学の友人たちは、本郷のそんな思いを汲み取った上で接してくれた。「特別に気を遣わず、常に普通の一大学生として付き合ってくれました。友人たちとの出会いが大学生活での一番の収穫です」と笑みがこぼれる。そんな仲間たちと熱中したのが映像制作。本郷が担当したのは裏方で「俳優として出演することは一度もありませんでした。出演側になると作品に対する見方も変わってしまうだろうし、輪を壊してしまい、迷惑をかけてしまうだろうから」とあえて演者のポジションを避けた。それでも「学生最後の作品を制作する際に友人たちから『自分たちも成長したから出演してほしい』と言われ、実は1本だけ俳優として出演しました。監督になりたい友人や技術系のスタッフになりたい友人が集まって4年間一緒に過ごしてきたので、皆の成長をそばで見ることができて楽しかった」と忘れられぬ思い出になった。なお友人たちはそれぞれ映像業界に進んだそうで「何気に生々しい近さがあったりするので、近いうちに現場で会うのではないかと思う。
それが凄く楽しみ。一緒に仕事が出来たら嬉しい」とプロとしての再会に期待を膨らませる。

 自身の目標は「ずっとお芝居をやっていきたい」と俳優業へのこだわりを覗かせる。また、長年の活動から活動していたからこその特典もある。それは過去に共演した俳優と再び共演すること。「子供の頃の関係性と大人になってからの関係性は変わってくるし、芝居面でもまったく違う種類の演技になる。そんなときに俳優業の面白さを改めて感じます」と活動のモチベーションになっている。俳優業の魅力を「実力至上主義であること」という本郷は「ベテランの方とも対等な立場で、常に同じフィールドで戦える。だからこそ『若手だから』との言い訳もきかない。自分の身一つで乗り切っていかなきゃいけない。勉強や努力を怠ったら、すぐに淘汰される。その厳しさがいい」と魅力を語る。


 そんな本郷が連続ドラマ初主演を果たした『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』は「大学在学中最後の出演作で、卒業約1ヵ月後に放送されるという切り替わりのタイミングでのドラマ」という重要作。「連続ドラマ初主演だし、自分にとってのいいスタートダッシュになるはず」と放送を心待ちにしている。

 『リアル鬼ごっこ THE ORIGIN』は、テレ玉、チバテレ、tvkにて毎週火曜26時放送スタート。
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