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「韓国版を観ている友達が周囲にいたので、“イタキス”のタイトルには馴染みがありましたが、オリジナルのコミックは読んだことがありませんでした」という古川。連載期間は1990年~1999年。25歳の男子で、かつ帰国子女の古川が、原作を読んでいないのはむしろ当然だろう。
しかし「脚本を読み、ぜひやりたいと思った」と振り返る。当時、ロンドンにいたため、オーディションはインターネットを通じて行われた。受かったときは「もちろんスゴク嬉しかったです。でも日本に帰ってから、作品を好きな方が驚くほど大勢いらして、なかでも入江直樹という役が、特別皆さんに愛されていて期待値が高いということが分かったんです。そこで初めてプレッシャーに襲われました」と告白。「周囲からも、『え、あの“イタキス”? 入江直樹をやるの??』と言われたりして、『はい、やるんです…』みたいな感じでした」と苦笑い。
だが古川には入江役に選ばれるのも納得のバックボーンがある。
しかし本人は「入江くんは自分の弟にそっくりだなって思ってたんです。無愛想なところや、進む道も同じなので。だから、『これ、お前じゃん』って話してたんですけど、ドラマを観た弟は『お兄ちゃん、そのまんまだね』って。自分としてはちゃんとお芝居してるんですけど」と少々不満げ。だが、入江とリンクを感じた部分も。
「自分の気持ちを伝えることに不器用だったり、自分探しをして悩んでいるところなどは、自分自身と重なりました。ボクも大学時代、オーディションに受かって俳優になるまでは、自分探しをしていましたから」。ただ、「でもボクはあそこまで冷たくないですよ! 最初に琴子からラブレターを渡されそうになるんですが、いらないと断って、しかも入江くんはそのラブレターを踏んづけちゃうんですよ。ボクだったら、喜んで受け取ります! あとIQ200なんてないですしね」と素顔を覗かせた。 さて、完璧な王子様(性格には難アリだが)の入江を演じるのは、実際、難しく、かなり研究した。
個人的に工夫したのが“目”。入江くんといえば、切れ長の目がチャームポイントのひとつ。「実は入江くんを演じているときは、普段よりもちょっと目を細くしてるんです。冷たいときは特にそうですね。そういう点にも注意しました」。
「この作品でも勉強したと言いましたが、ボク、デビューは小劇場で、その後はオーディションで映画の役をもらってきたんですけど、どれも等身大に近い役だったんです。でも初めて等身大じゃない役に当たった時、できなかったんです。そのときから、かなり意識を変えて演技というものを勉強するようになりました。ドラマや映画もたくさん観て。現場を重ねることで、作品の観方も変わってきました。今も発見の連続で、やればやるほど難しさが分かってきています」と前を向く。
ところで、本作では96年版の琴子役・佐藤藍子と入江役・柏原崇が特別出演していることも話題。「柏原さんとお会いしたときは、すごく不思議な感じでした。だって17年前ですよ。17年前にいま自分がやっている同じ役を演じられていた方が、目の前にいて、一緒の現場にいる……。どう言葉で表現すればいいのか分からない気持ちになりましたね。
作品にちなんで、ファーストキスについても尋ねてみたが、答えは「秘密」だそうで、粘ってみたが聞けず仕舞い。だが、「作品の中で『ざまあみろ』と言ってキスするシーンがあるんですが、あのシーンは重要でもありますし、とても好きなシーンです」とのこと。実際、ドキドキシーンに仕上がっているのでお見逃しなく。(取材・文・写真:望月ふみ)
『イタズラなKiss~Love in TOKYO <ディレクターズカット版>』(3000 セット初回限定版)は、DVD‐BOX1は8月28日、DVD‐BOX2は9月25日発売、価格は各1万2600円(税込)。また、9月4日にDVDvol.1~5、9月18日にDVDvol.6~10がレンタル開始。