ジャン=クロード・ヴァン・ダムが主演し、ジョン・ウー監督のハリウッド進出後初の長編アクションとして話題を呼んだ『ハード・ターゲット』をご存知だろうか。ヴァン・ダムによる肉体を駆使したアクションと、ジョン・ウーのこだわり抜いた映像でファンを熱くさせた名作だ。
22年の時を経て、ついに続編『ハード・ターゲット2‐ファイティング・プライド‐』が登場!ここに、新たなアクション・ヒーローが誕生する。

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 本作は、「人間狩り」に参加することになってしまった総合格闘家の闘いを描いたアクション作品。試合中の事故で親友を殺してしまい、現役を引退した総合格闘家のウェスは、祖国を離れタイ・バンコクで賭け格闘技の賞金稼ぎをしながら隠遁生活を送っていた。ある日、大富豪オルドリッチから、莫大なファイトマネーが賭けられた試合へ誘われ、引き受けることに。しかしそれは、世界中から集まった富豪たちによる秘密のハンティング・ツアー「人間狩り」のターゲットになることだった。

 ヴァン・ダムの後を継ぎ、本作で主演を務めるのは“次世代のヴァン・ダム”との呼び名も高い、スコット・アドキンスだ。
スコットは、ヴァン・ダム同様、格闘技の経験が豊富で、柔道、キックボクシング、MMA、中国拳法の心得がある。さらに、『ウルヴァリン:X‐MEN ZERO』では、ライアン・レイノルズのスタントを務めるなど、スタントマンとしても活躍しており、アクションシーンへの対応は完璧だ。本作でもキレッキレのアクションを“スタントなし”でこなしている。ライアン似のイケメンで、服を着ていてもわかる胸筋、上腕二頭筋のムキムキ感は、日本人の女性も虜にすること間違いなしだ。 「人間狩り」をテーマとした作品といえば、マイケル・ダグラスが主演した『追撃者』や『サバイビング・ゲーム』などがあり、殺し合いからの生き残りをかけたサバイバルという視点では『ハンガーゲーム』を思い出す人も多いと思う。しかし、本作はそれらの作品とは一味違っており、なんといっても“生身の闘い”が存分に繰り広げられるのが特徴といえる。


 もちろん、勝ち残るためには身を隠したり、相手を出し抜いたりという頭も必要だ。時には銃を使う。しかし、本作では圧倒的に肉体を使った闘いに主眼が当てられているのだ。だからこそ、スコットの壮絶バトルシーンが生えてくる。鍛え上げられた見事な肉体から放たれる高速回転蹴りなど、カンフーアクション好きにはたまらないバトルが何度も登場し、胸が熱くなることだろう。

 そして、ジョン・ウーの意思を受け継いだ、「ジョン・ウーDNA」も健在。
『男たちの挽歌』や『フェイス/オフ』『レッドクリフ』など日本でも高い人気を誇るジョン・ウーは、男たちの熱い思いをクールなアクションで描いた作品が多い。中でも、彼の代表的なアクション表現法として、「2丁拳銃で華麗に立ち回る」「細かいカットに挟まれるスローモーション」「闘いと相反するような白い鳩」が挙げられる。さらに、教会や寺院といった宗教的建物を多用するのもジョン・ウーならではの手法だ。これらの手法は、本作でも、ふんだんに取り入れられている。主人公ウェスがバンコクで暮らす家の中に、白い鳩が映し出されたシーンを見れば、この作品にジョン・ウーの思いが強く息づいていることを感じずにはいられない。ジョン・ウー好きも必見の一作だ。


 『ハード・ターゲット2‐ファイティング・プライド‐』ブルーレイ&DVD(セル価格3990円・税別)は11月18日リリース。