【写真】『いだてん』新キャストたち
中村勘九郎演じるマラソン選手・金栗四三を主人公とする第1部に続く第2部の前半では、阿部サダヲを演じる新聞記者・田畑政治を主人公に、戦争のために幻の開催となった1940年の東京オリンピック招致をめぐるドラマが展開する。
麻生は田畑の妻・酒井菊枝を演じ、桐谷は田畑の新聞社の同僚で、やがて政治の道へ進む河野一郎を、じろうも田畑の同僚記者の尾高を、リリーは田畑の上司で、河野と同じくやがて政治家に転身し副総理まで登りつめる緒方竹虎を演じる。
塩見は29代内閣総理大臣で、五・一五事件で凶弾に倒れる犬養毅を演じており、加藤と塚本は幻の東京五輪の招致に関わるIOC委員役で、加藤は外交官の杉村陽一郎、塚本は伯爵の副島道正に扮する。また薬師丸は、田畑の運命に深く関わる占い師でバーのママでもあるマリーを演じる。
会見に出席した阿部は、自身が演じる田畑を「何をするかわかんない人」と評し「それを受け止めてくださる皆さんです!」と共演キャストへの信頼を口にしていた。
3月に亡くなった萩原さんは、名財政家として歴史に名を残し、二・二六事件で暗殺される高橋是清を演じている。阿部は共演時の萩原について「ご病気だと気づかなかった」と述懐。リハーサルで萩原がアドリブで阿部の頭をたたき、それが本番でも採用となったと明かし「僕はショーケンさんに最後にたたかれた役者です」とも。「お芝居に対してすごく真剣に取り組んでらっしゃったのが印象的でした。(亡くなったと聞いて)信じられなかったです」と語った。制作統括の訓覇圭プロデューサーは萩原から役作りに関して「萩原健一という存在が見える、自分の存在の魅力が見えるような造形で演じてもいいか?」という相談があったことを明かし「何か遺そうとしていたのかな…」と思いをはせた。