芸能界デビューして丸15年が経ち、16年目に突入した俳優・瀬戸康史。「昔に比べたら、だんだんスーツを着る役が増えましたね」と笑顔を見せ、役の広がりの充実を伺わせる。
【写真】優しいほほ笑みも見せてくれた瀬戸康史 撮り下ろしカット
■『ルパンの娘』反響に喜び「白目、得意ですから(笑)」
代々「泥棒一家」“Lの一族”の娘・三雲華(深田)と、代々「警察一家」の息子・桜庭和馬(瀬戸)との決して許されない恋愛模様を中心に、ホームドラマ、アクション、ミュージカルとさまざまなジャンルを詰めこんだ『ルパンの娘』。前シーズンで、めでたく結ばれた華&和馬のその後が描かれる今作。泥棒家業とは縁を切り、愛する和馬と平穏な日々を過ごしたいと願う華だったが、さらなる障害が二人を待ち受ける。
奇想天外かつ破天荒な「木曜劇場」枠史上最も異色なドラマ『ルパンの娘』は、多くのファンを生み出し、最終回は番組最高の平均視聴率9.8%をマーク、配信での見逃し視聴も初回放送後から1週間で124万回再生を記録し、待望の新シリーズが幕を開ける。反響の大きさは瀬戸も肌で感じているそうで、「業界関係者や、自分の身近な人からも"出演したい"と言われました(笑)。みんな、『ルパン』に関わりたいんじゃないですかね!」と、愛情をにじませた。
撮影については、とにかく「濃い時間」と言い切る瀬戸。「今回、ますますパワーアップしていると思います。どのシーンもみんな全力だから、エネルギー消費が激しいんですよ。なので、おのずと作品に対しての愛着や思い入れも、どんどん増してくるんです」と、うれしそうに打ち明けた。
ヒロイン・華と和馬の新婚生活が描かれることにも、注目が集まる新シーズン。ラブシーンについて聞くと、「二人の甘いシーン、ありますよ。1話の最初から“おはよう、華”とバックハグするんです。その映像をチェックしたとき、“こんなにライティング、フワッとしてるんだ”と思いました(笑)」と、映像面での盛り上げ演出も、たぶんにあると期待を含んだ。
終始、楽しそうに本作のエピソードを語る瀬戸に、『ルパンの娘』ならではのやりがいを尋ねてみた。「言葉にするのが難しいですけど、ずっと夢の中にいるような感じというか…。最近、ナチュラルさみたいなところが重視される作品が多い気がしますが、そことは違い、『ルパンの娘』は“芝居してるな! ドラマ作ってるな!”という感じがあるんです。本当に自分と切り離される感じで」。俳優として演じることへの快感が、作品の魅力へと移り変わる。「現実から離れられる作品って、あまりないんじゃないのかな。
■俳優として進化するためのルール「自ら乗り越えるべき壁を作る」
芸能界デビューして16年目に突入した現在。「節目とか、あまり意識していなくて(笑)。取材で言われたりすると“あ、そうなんですね”という感じです」と、気負いなく瀬戸は話す。「もともと、自分から望んで入った世界ではなかったんです。だから最初は右も左もわからなくて仕事がきたら、“はい、やります”みたいな感じでした。一見、作品に対して真摯(しんし)な姿勢に見えるけど、今思えば何も考えてなかったと思われてもおかしくないんですよね」と、デビュー時を振り返る。
俳優が楽しくなってきたのは、「20代後半ぐらいからですね」と続けた。「やりがいを感じてきた時期で。どういう仕事をやるかを選ぶようになってきたのが、その頃ですね」。責任感が芽生えてからは、作品選びに課すルールも変化した。「自分が演じている姿を、あまり想像できないような役を選んでいるかもしれません。
木曜劇場『ルパンの娘』は、フジテレビ系にて10月15日より毎週木曜22時放送(初回15分拡大)。