モデル、女優、グラビアと幅広いジャンルで活躍する内田理央。2020年1月クールで放送された主演ドラマ『来世ではちゃんとします』では、性に奔放で5人のセフレがいる性依存女子・大森桃江をキュート&いじらしく好演し、同性から高い支持を受けた。
【写真】弾けるような笑顔で取材に応じてくれた内田理央
■前作の大反響に手応え「私の代表作になった」
――昨年放送されて大きな反響があったドラマParavi『来世ではちゃんとします』が、早くもシーズン2として放送中です。続編が決定したときはどんな感想を持たれましたか?
内田:最初の作品を撮影しているときから「続編やりたいね」って話をしていたので、こんなに早いスパンでシーズン2ができるなんて、すごくうれしかったです。シーズン1を撮影しているときは、女性に届いてくれたらいいなと思っていたのですが、不安もあったんです。でもParaviのデータでは、20~30代の女性が一番多く視聴してくださったと聞いて、頑張ってきたことが伝わって良かったと感じていました。
――内田さんの耳にもドラマの評判は届いていましたか?
内田:いろいろなうれしいご意見をいただき、励みになりました。さらに祖父江里奈プロデューサーが、この番組でテレビ東京の社長賞をもらったり、シーズン1がNetflixで配信になったときにランキングでアニメ『呪術廻戦』と『進撃の巨人』の間に挟まれてランキングで4位になったりと反響は大きかったです。4位になったときは、うれしすぎてスクリーンショットを撮っちゃったぐらいです(笑)。いままでも素敵な作品に出演させていただきましたが、『来世ではちゃんとします』は私の代表作になったのかなという思いはあります。
■演じる上で気をつけているのは“男性向けにならないこと”
――性依存の女の子という衝撃的な役ですが、内田さんにとって桃ちゃんを演じるうえで、どんなチャレンジをしましたか?
内田:これまでグラビアもやってきたので、男性向けな感じに見えないように気をつけるようにしていました。女性が観ても嫌悪感を抱かないように、いかにエロいセリフをポップに発せられるかが課題。
――そんな桃ちゃんは、シーズン2では成長した姿が観られるのでしょうか?
内田:「成長しています!」と言いたいのですが、やっぱり「来世で成長しよう」という部分は変わっていなくて、ダメなところはダメなままで、こじらせているところは相変わらずこじらせています(笑)。でもシーズン2は、恋愛色がちょっと濃くて、セフレのうちの1人と付き合ったり、松田くん(小関裕太)とAくん(塩野瑛久)との三角関係があったり…とラブを楽しんでいただけるのかなと。
――内田さん自身、桃ちゃんに共感する部分はありますか?
内田:今回恋愛の部分で、Eくん(おばたのお兄さん)と付き合ってもうまくいかず、松田くんと付き合うかも…というストーリーなのですが、一番幸せになりたいのに、人に与えてばっかりというもどかしさや切なさは、共感できる部分が多いなと思いました。
――内田さんは人に与えてばかりいるんですか?
内田:全然そんなことないんですけれどね(笑)。でもちょっと気を使いすぎてしまって、人のことばかり考え過ぎて自分を大事にできないときがあるので、こういうこと分かるなってポイントはありました。■“弱気の虫”がいるから「初心を忘れずに物事に挑める」
――あまり変わらない桃ちゃんですが、内田さんご自身は芸能のお仕事を始めて10年になります。「変わらなきゃ」という思いは常に持って臨んでいますか?
内田:私は結構弱音を吐きまくってしまうので、特にやったことないジャンルの仕事の前には、ワクワクよりは「やりたくないよー」というモードになっちゃうんです。その意味で、毎回戦いに行くような気持ちで奮い立たせて現場に入るんですね。そういう部分では、もっと楽しめるようになりたいという思いはいつも持っています。
――経験を積んできて、弱気の虫は減ってきましたか?
内田:経験を積んで、少しずつ強くなってきたなと思う瞬間もあるのですが、時が経つと元に戻ってしまうんです。ただ、周囲からは「最初は弱音吐いているけれど、一歩踏み出すと結構楽しんでいますよ」と言われるので、もしかしたら「嫌だ」と言っているほど、本心では嫌だと思っていないのかもしれません。
このドラマについても、当初はお話を受けるかどうかを結構考えちゃいました。やると決めてからも、男性との絡みもあるし、現場はどんな雰囲気なんだろう…といっぱい考えていました。
――大きな反響を得て、代表作と言えるほどの手応えがありました。弱気の虫はいなくなりましたか?
内田:「はい」と言いたいんですが、あまり変わっていないんです。弱音吐いて、うまくいって、でもまた弱音吐いて…謎のスパイラルにはまっています(苦笑)。でももしかしたら、この性格がいいのかもしれません。もちろん不安とは戦いたくないし、ポジティブでいたいのですが、この弱さがあるから、あまり調子に乗らず、初心を忘れずに物事に挑めているのかもしれませんね。
■30代は「20代よりさらに楽しいと期待しています」
――「変わらなきゃ」という話をお聞きしましたが、お仕事を始めて10年で「自分のここは変わったな」という部分はありますか?
内田:性格は明るくなりました。このお仕事を始める前は、それこそインドアでこじらせていたのですが、勇気を持って扉を開けると、自分の想像以上に周囲の人たちって優しいんだと感じることができたんです。外の世界への恐怖は消えました。でも、不安なんですよね…。そのループを克服するのが、今後の課題かなと思いつつ、『来世ではちゃんとします』のストーリーを見ていると、無理して変わらなくてもいいのかなと肯定してくれているような気がしているので救われています。
――そんな内田さんも9月27日で30歳を迎えます。どんな30代にしたいですか?
内田:まだ全然思い描けていないんですよね(笑)。でも10代より20代の方が確実に楽しかったので、30代は20代よりさらに楽しいと期待しています。もちろん大変なこともあると思いますが、ネガティブループを脱して、いろいろなところに飛び込んでいきたいです。(取材・文:磯部正和)
ドラマParavi『来世ではちゃんとします2』は、テレビ東京系にて毎週水曜24時40分放送。動画配信サービス「Paravi」にて独占先行配信中。