昨年、芸能活動50周年を迎えた、“ショーケン”こと萩原健一。自ら原案を手がけ、主演したドラマ『明日への誓い』(テレビ朝日系)が3月25日に放送された。
萩原はグループ・サウンズ全盛期の1967年、ザ・テンプターズのボーカリストとしてデビュー。その後、俳優に転身し、映画『青春の蹉跌』(74)で、キネマ旬報の最優秀主演男優賞を受賞。続いて、日本テレビ系のドラマ『前略おふくろ様』や『傷だらけの天使』に主演するなど、数多くの映画やドラマで活躍した。
私生活では当時、人気モデルだった小泉一十三と結婚。
女性スキャンダルのみならず、大麻取締法違反容疑による逮捕や、交通事故による2度の逮捕。トラブルの絶えない萩原は、「芸能界一の問題児」と言われるようになった。
同映画の撮影中、萩原は監督やスタッフ、それに共演者に暴言や暴行を繰り返したために、途中降板となった。プロデューサーは出演料の半分を返還するよう求めたが、「一方的に降板させられた」と、これを拒否。さらには、実在する暴力団の名前を出して「必ずやっつけますから」と脅迫する言葉を留守番電話に残し、プロデューサーに出演料全額分を要求した。その結果、制作サイドから恐喝未遂容疑で告訴されたのち、逮捕される事態となった。
たび重なる警察沙汰のトラブルや、トーク番組での共演者の悪口発言などにより、萩原は映画やドラマのスタッフから「危なくて使えない」と敬遠されるようになってしまったのだ。
そんな萩原だが2年前、NHK BSプレミアムで忽那汐里主演のドラマ『鴨川食堂』に準主演として抜擢された。久しぶりにドラマへの起用となったが、萩原を知る関係者から「大丈夫?」と危惧する声が上がっていたという。
関係者の懸念は的中することとなった。萩原はドラマの舞台である京都の方言がなかなか覚えられずイライラ。そのイライラが共演の内田朝陽に向けられた。萩原のイジメに遭って、内田は降板させられ、「僕の役者生命はもう終わりです。
それから2年後、テレ朝の日曜ドラマ『明日への誓い』で、自らが原案を手がけるという初の試みで、主演。67歳になったショーケンのいぶし銀の演技が光る作品となった。
三つ子の魂百までということわざがあるように、放送終了後に、撮影中のトラブルが浮上しないことを願う。
(文=本多圭)