写真/Getty Imagesより

 大谷翔平のことばかり聞かれるメジャーリーガーたちの気分だったのだろうか。

 将棋の渡辺明九段が10月18日、X(旧ツイッター)を更新し、前日に出演した『クローズアップ現代 藤井聡太「八冠」激闘の舞台裏』(NHK)にまつわる騒動について言及した。

 同番組の最後に、司会の桑子真帆アナから「藤井八冠とどう戦っていかれますか」と聞かれた渡辺九段は、「さぁ」と首をひねって一言のみ。「タイトルを持ってた時は、待っていれば藤井さんが挑戦してきたのが2020年から23年まで。いまは藤井さんが全部タイトルを持っていますんで、挑戦者になっていかないと対戦しないので。いったん、頭の中から消えましたね、どう戦っていこうかというのは」と説明するも、桑子アナから「浮かび上がってくることはありますか」と重ねて聞かれると、再び「さぁ」と答えた。

 今や棋界の話題は「藤井八冠」一色ではあるが、渡辺九段も歴代1位となる竜王9連覇の偉業を誇るトップ棋士だけに、このシーンについては、「渡辺九段へのリスペクトが足りない」「当たるかどうか分からない相手に『どう戦うか?』と質問する桑子アナのレベルが低すぎる」との声や、「コメントするのが嫌だったら番組に出なければいい」「大人気ない対応」といった批判など、視聴者から賛否が飛び交うこととなった。

「渡辺九段はXにて、塩対応だった理由について制作側の勉強不足や体調が万全でなかったことなどにより、機嫌が悪かったと釈明。

事前打ち合わせを断った自分にも非があったと言いつつ、コメントの尺によってギャラが変わらないとも開き直り、プライドの高さをにじませていました」(週刊誌記者)

 そんな渡辺九段といえば、妻でマンガ家の伊奈めぐみさんが、棋士と家族の日常を描く『将棋の渡辺くん』を連載中。そこでは、藤井八冠とのことについても言及されたことがあった。

「2019年2月の朝日杯の決勝で藤井八冠に敗れた渡辺九段は、2021年2月の朝日杯準決勝で再び激突。雪辱に燃えるなか、最終盤ではAIの評価値が『渡辺99%』『藤井1%』のところまで追い込むも、そこからまさかの大逆転負け。マンガではこの時のことについて、渡辺九段が自分のほうが藤井八冠より少し弱いと思っていることを吐露しつつ、『警戒しすぎて疲れてしまった』と分析。普段であれば、弾が飛んできてから考える余裕があるのに、『藤井八冠の場合はどこから弾が飛んでくるかわからず、一手一手に神経を使いすぎるあまり、エネルギーがつきて、最後にミスしてしまった』と振り返っていました。

また別の回では、タイトル戦は挑戦よりも防衛のほうが難しいと語り、とりわけ初防衛戦のプレッシャーについて『社長から平社員になる』とわかりやすく解説しています。もしかすると、『クロ現』のスタッフはこの漫画を読んでいて、これと同じようなコメントを期待していたのかもしれませんね」(前出・週刊誌記者)

 桑子アナは、渡辺九段の妻と同じようには心を開いてもらえなかったようだ。