TBSが11月26日の早朝、検証番組『TBSレビュー』で「旧ジャニーズ事務所問題に関する特別調査報告」を放送した。
番組によると、TBSホールディングスは、TBSテレビ・TBSラジオと合同で特別調査委員会を設置し、故ジャニー喜多川氏による性加害の報道をめぐる社内の対応や、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)との関係などを幅広く検証する全社的な調査を行ったというが、その結果、衝撃的な事実が明らかになった。
2009年4月、当時の旧ジャニーズ事務所に所属し、SMAPのメンバーとして活躍していた草なぎ剛が、東京・港区の公園で泥酔し、全裸で騒いでいたとして公然わいせつ容疑で現行犯逮捕される事件があった。
その後、16年にSMAPは解散。ジャニーズを退所した草なぎ、稲垣吾郎、香取慎吾は翌年、SMAPのチーフマネジャーだった飯島三智氏が率いる共同プロジェクト『新しい地図』に参加し、活動する。
事件について番組内では、草なぎを「アイドルグループのB氏」と説明。逮捕翌日、B氏は送検後、処分保留のまま釈放されたが、その後B氏を乗せた車は警察署を出た後、報道陣のヘリなどに追跡されながら、港区・赤坂のTBS放送センター内の地下駐車場に入ったという。だが、同局の報道局員がカメラを持って現場に急行したが、編成局員が「撮るな」などと制止。
気になるその舞台裏だが、報道局編集長は「地下駐車場で取材している記者から電話があり『編成がやめてくれと言っているが、どうしましょうか』と報告があった」などと証言し、B氏らを招き入れた社員がいたことを暴露。そのうえで、同委員会による調査報告では「車両を招き入れた目的は、報道陣の取材から逃れるためだったことは明白であり、報道局の取材を妨害してしまったことになる」などと分析したのだ。
ベテラン芸能記者は次のように解説する。
「当時、草なぎの扱いについて一切の権限を持っていたのは飯島氏。TBSとは木村拓哉のドラマや、中居正広の冠番組『中居正広の金曜日のスマたちへ』(当時)などで太いパイプがあったが、まさかTBSの局員がわざわざ招き入れているとは思わなかったという。
また、2001年8月24日、旧ジャニーズ事務所に所属していた稲垣が乗用車を違法駐車し、警察官から免許の提示を求められたが、無視して車を発進させ、女性巡査に軽いケガを負わせた事件が発生。
当時、TBSは、逮捕直後は「稲垣吾郎容疑者」と報じていたが、釈放後には「稲垣メンバー」との呼称に変更。起訴猶予となってからは、「稲垣さん」と報じ話題になったが、その舞台裏の説明の際も、稲垣のことを「A氏」としていた。
「旧ジャニーズ時代、藤島ジュリー景子社長が率いる本体、そしてSMAPを率いる飯島氏の二大派閥が形成されていたが、TBSはテレ朝の次に飯島派寄りだった。そのため、SMAPのメンバーたちの報道に忖度が働いたようだが、結局、今もTBSの芸能班は『新しい地図』の取材には行っており関係が切れたわけではない。
イニシャルとはいえ、草なぎはTBSの世間に対するアピールのネタとして使われてしまったようだ。