中川家㊙真剣トーク後半戦!M-1初代王者から審査員へ…“闇の時代”はまだまだ続く!? | TVer

 30日放送の『やすとものいたって真剣です』(ABCテレビ)は、先週に続いて中川家をゲストに迎えての真剣トーク。今年も間近に迫った『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の話題を中心に盛り上がった。

 2001年の第1回『M-1』をラストイヤーの10年目で迎え、見事優勝を果たしている中川家と、同期でありながら出場しなかった海原やすよともこ。実はやすともだけでなく、中川家も当初は出場する予定ではなかったのだという。

「出えへんって言うたやん」(やすよ)
「言うたよ、出えへんって言うた」(中川家・剛)

 当時、中川家は劇場出番こそあったものの、剛の病気休養もあって吉本との関係がぎくしゃくしていた。だが、吉本側からの強い要望もあって出場した経緯がある。

 さらに、ともこからは「第2回のますだおかださんは、10年目じゃなかったんじゃないかってずっと思ってるもん」という、このメンバーしか言えない発言も飛び出すなど、終始和やかな雰囲気だった。

 そんな中、スタジオが緊張感に包まれる一幕があった。

 VTRで出演したニューヨークが、1日に10ステージも立っているという話を受けてのことだ。

「やめたほうがええって」(中川家・礼二)
「10回とも集中してすんのは無理やから」(ともこ)
「やったって上手くなれへんし」(礼二)

 そのやりとりから、昨今では当たり前になっている『M-1』前の出場者たちの“調整”について話が及ぶ。『M-1』の予選や決勝前、“調整”と称してライブ出演数を増やし、5分や6分の出番を3分や4分で下りてくる若手が後を絶たない現状についてだ。

「なんの調整できるん? て思うねん」というともこの言葉を、剛が引き取る。

「それオレ、ホンマ言いたかってん。何を勘違いしてんのか、みんな『M-1』のためにやってるけど、ちゃうからね。

お客さんのためやからね、基本。そこを絶対忘れたらあかん。だからみんなガチガチの遊びのないネタになってきてるからね。あと何十年やっていくと考えたら、絶対やめたほうがいい」

 剛の目は、いたって真剣だ。それに答えたのは、進行の令和喜多みな実・河野良祐だった。

「お金を払って見に来ているお客さんがいますからね」

 令和喜多みな実は、現在、相方の野村尚平が病気休養中のため、コンビ活動を休止している。

プリマ旦那として2年目と3年目に『M-1』準決勝に進んだ実力者だが、今年、挑戦すら果たせないままラストイヤーを終えた。その休養中の野村もまた、現在の「M-1至上主義」に深く悩んでいた芸人のひとりだ。

 中川家が初代王者となった23年前とは、『M-1』の価値も大きく違う。そもそも漫才師の数がまったく違うので、賞レースでの実績でも作らなければ、剛の言う「何十年」の未来など見えようはずもなく、その漫才師の存在ごと泡と消えるのだ。

 何百回と同じネタを叩いて準々決勝で敗退するコンビがあれば、21年のハライチのように、当日作った新ネタで敗者復活戦を勝ち上がり、単独ライブで一度かけただけのネタを本番で披露するコンビもある。

 それぞれに『M-1』、今年も熱い冬が来る。

(文=新越谷ノリヲ)