米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が10日付で伝えたところによると、深刻な食糧難に直面する北朝鮮で、当局主導の開発政策がかえって農地を減少させているとして、住民の不満が高まっている。

平安北道の住民は取材に対し、「ここ1カ月、農民は『新たな土地探し』に総動員された」と証言した。

これは耕作地を少しでも増やすため、道路や水路の整理、畑の石の除去、窪地の埋め立てなどを行う作業だが、「1カ月間騒ぎ立てた割に見つかった土地はわずか数十坪にすぎない」という。

農民の間では「せっかく新しい土地を見つけても意味がない」との冷めた声が広がっている。その背景には、当局の別の政策によって農地そのものが急速に失われている現実がある。

同道では近年、金正恩総書記が最重視する「地方発展」政策の名の下に、工場建設が相次いでいる。

情報筋によれば、宣川郡をはじめ複数地域で建設された工業施設の多くが、もともと農地だった場所に立地している。現在、同道内で建設済みまたは工事中の工場は7カ所に上り、1カ所あたり少なくとも2~3ヘクタールの農地が消失、合計で14~15ヘクタール以上が失われたとされる。

ある住民は「稼働もしていない古い工場を壊して建て替えればよいのに、なぜか最も良い農地に新工場を建てる」と批判。「見栄えを優先して工場を集中的に配置するため、農地の侵食が一層深刻になっている」と指摘した。

さらに「いくら新しい土地を探しても、これほどの農地減少を補うことはできない」とし、「このまま工場建設が続けば、穀物生産は減るしかない」と懸念を強めている。

農村住宅の建設も農地減少に拍車をかけている。咸鏡北道の別の住民は「新しい住宅は既存の家屋を壊して建て替えるのではなく、農地の上に建てられている」と明かす。農民を一時的に住まいから追い出せない事情があるためとされるが、その結果、農地が恒常的に削られているという。

住宅完成後には旧宅地を農地に戻す作業が行われるものの、重機不足のため手作業に頼らざるを得ず、さらにコンクリートのアルカリ成分の影響で耕作に適さないケースも多いとされる。

こうした状況に対し、「農地を使えなくしている元凶は当局そのものだ」との不満も噴出している。「これほど農地が失われているのに『新たな土地探し』をして何の意味があるのか」との声は、食糧問題の深刻化と政策への不信感を象徴している。

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