在日本朝鮮人総聯合会(朝鮮総連)が、第26回全体大会(5月23、24日)を通じて、綱領から「祖国統一」の文言を削除した。1955年の結成以来、総連は「祖国統一」という歴史的使命を掲げてきた組織だった。

しかし、北朝鮮の 金正恩総書記が「南北は敵対する二国家」と位置づけ、統一放棄路線へ舵を切ると、朝鮮総連もまた長年の“悲願”をついに捨て去った。

しかも、その過程で大きな議論が行われた形跡はほとんど見えない。長年掲げてきた理念であるにもかかわらず、組織綱領から“しれっと削除”されたようだ。そこに見えるのは、自らの歴史や理念よりも、平壌の政治路線変更を優先する組織体質だ。

朝鮮総連はこれまでも、北朝鮮の方針転換に合わせて主張や立場を変えてきた。かつては「朝鮮半島非核化」を掲げていたが、北朝鮮が核武装を進めると、一転して「核保有は正当」と主張し、今大会では「堂々たる核保有国」と誇示。日本人拉致問題でも、長年「存在しない」と否定し続けたが、2002年の日朝首脳会談で北朝鮮自身が犯行を認めると沈黙。組織は信頼を失って大打撃を受け、多くの人員離脱を招いた。

今回の「統一削除」も、その延長線上にあると言えるだろう。“統一”を掲げて結成された組織が、“統一放棄”をほぼ無抵抗で受け入れる――。そこには、朝鮮総連という組織の本質があまりにも分かりやすく表れている。

本来、海外同胞組織であるなら、日本で暮らす在日朝鮮人社会の利益や生活を第一に考えるべき存在のはずだ。

しかし現実には、「祖国」の方針変更に合わせて看板まで掛け替える姿に、「平壌の出先機関」「北朝鮮の下僕組織」といった冷ややかな視線も強まっている。

今にはじまったことではないが、結局のところ、朝鮮総連はもはや主体的な組織というより、“平壌の決定を忠実に受け入れるための装置”と言わざるをえない。皮肉なのは、「祖国統一」という最大の歴史的ナラティブを捨て去ったことで、その組織の実像がかえって浮き彫りになった点かもしれない。

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