コロナ禍の前に行われた20年卒の就活。果たして主要大学の学生はどのような就職先を選んだのだろうか。
私立大学の双璧として常に比べられる早稲田大学と慶應義塾大学。両校のOB組織である「稲門会」と「三田会」は経済界において強力なネットワークを持つ。就活においてもそうしたOB組織が大いに活用されているようだ。
19年の早大は、1位がリクルートグループ、2位富士通、3位三菱UFJ銀行、5位三井住友銀行と、上位に銀行が食い込んだ。一方、慶應大は、1位東京海上日動火災保険、2位アクセンチュア、3位三菱UFJ銀行、4位三井住友銀行と、こちらも上位を金融が占めていた。
果たして20年の早慶の就職先はどうなったのか?
楽天が早大1位、慶應大2位慶應大1位は東京海上日動火災
まず、早大で1位となったのは楽天。前年のTOP10圏外から大躍進を遂げた。2位富士通、3位NTTデータは前年に続きTOP5に入った。代わって三菱UFJ銀行や三井住友銀行はTOP5から滑り落ちている。5位には東京都職員I類が入った。
銀行がTOP5から姿を消したとはいえ、TOP20で見ると金融関連だけで6社ランクインしており、相変わらず人気は高い。また、早大でもコンサルの人気が急上昇している。4位アビームコンサルティングが入ったほか、TOP20に3社が入った。
慶應大で1位となったのは東京海上日動火災。前年に続いてのトップとなった。同社の持株会社である東京海上ホールディングスの永野毅取締役会長は、同大OBであり、同大の最高意思決定機関である慶應義塾評議員会のメンバーでもある。
2位は楽天、3位に慶應義塾、4位に三井住友銀行、5位に三菱UFJ銀行が入った。7位にはみずほ銀行も入っており、3メガバンクがTOP10にランクインした。また、慶應大でもコンサル人気は高まっており、TOP10に2社が食い込んでいる。
*20年は大学側に聞いた就職企業別の人数を基に算出しているが、19年は企業側に聞いた大学別の採用人数を基に算出したため、19年のデータには就職先として大学や大学附属病院が含まれていなかった。
早慶のランキングで特徴的なのは、どちらも楽天に就職する学生が多いこと。一橋大も楽天が1位となっており、同社が難関校の優秀な人材の獲得に注力している様子がうかがえる。
*ランキング表の見方
データは、各大学発表による企業別就職者数。企業名は大学通信の調査方法にのっとって表記しているため、正式名称と異なる場合がある。調査/大学通信